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	<title>平成レンタカー - AUTO BILD JAPAN Web（アウトビルトジャパンウェブ） 世界最大級のクルマ情報サイト</title>
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	<description>世界最大級のクルマ情報サイトAUTO BILDの日本版。いち早い新車情報。高品質なオリジナル動画ビデオ満載。チューニングカー、ネオクラシックなど世界のクルマ情報は「アウトビルトジャパン」でゲット！</description>
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	<title>平成レンタカー - AUTO BILD JAPAN Web（アウトビルトジャパンウェブ） 世界最大級のクルマ情報サイト</title>
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	<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】９日間、2000㎞のぐうたらワゴン旅　その12</title>
		<link>https://autobild.jp/13270/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 19 Feb 2022 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[ステーションワゴン]]></category>
		<category><![CDATA[ドライブ]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[ベラ]]></category>
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		<category><![CDATA[岡山県]]></category>
		<category><![CDATA[平成レンタカー]]></category>
		<category><![CDATA[津山市]]></category>
		<category><![CDATA[瀬戸内海]]></category>
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					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="944" height="627" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" fetchpriority="high" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1.jpg 944w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-300x199.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-768x510.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-696x462.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-632x420.jpg 632w" sizes="(max-width: 944px) 100vw, 944px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2>下津井の夜。瀬戸内の恵みに浸る…</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　宿に戻ると、夕食にはまだ早かったので、部屋で到着祝いにビールを抜いた。座卓とテレビ、座布団という素朴な空間が微笑ましかった。まだ春は浅いけれど、波音を聞きながら乾杯…と窓を少し開けてみる。少々肌寒い。でも、港で胸いっぱい吸い込んだ潮の香りが、部屋にも滑り込んできた。<br>　空は群青色に染まり始めていた。走るクルマも道往く人の姿もない。静かだ。でも、不思議と廃れたような寂しさや、物哀しさはない。むしろ、瀬戸の海に抱かれるようなほのぼのとした穏やかさを感じる。それが下津井の魅力なのだろう。<br>　夕食はY君も誘っていて、旧交を温めるのはもちろん、下津井の海の幸や瀬戸内の話をいろいろ聞いてみたいと思っていた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":13271,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/１_1-1.jpg" alt="" class="wp-image-13271"/><figcaption>あの下津井ワカメを扱う海産物店が宿のすぐ脇にあった。素朴な設えに惹きこまれる</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、話はちょっと遡るのだが、例の取材の晩に、平成レンタカーの牧社長と夕食をご一緒する機会を得た。コーディネーターを務めてくれたY君も同席し、宴が始まると、さまざまな魚料理が卓を飾った。鯛の兜煮やタコ料理など、このエリアを代表する品々に混じって、関東の飲食店ではあまり見かけない魚がやってきた。ベラだ。正確にはキュウセンと呼ばれる魚でほぼ全国に分布するがこのあたりでは、ギザミと呼ぶらしい。その仲間は非常に多く、呼び名も地方によってさまざまだ。釣りをする方なら珍しくもなんともない魚で、湘南や三浦半島でシロギスやカレイを狙っていれば、ちょくちょく竿を曲げる。<br>　しかし、割烹はもちろん居酒屋でさえ、近似種も含め、品書きに載ることは少ない。たくさんいるのに、あまり流通されないからだ。湘南あたりで獲れるのは小さいものも多くて、要は、関東では金が取れない魚なのだろう。<br>　この晩、私の目の前に現れたのは20㎝を超していた。腹はふっくらと膨らみ、香ばしい匂いが鼻をくすぐる。シンプルな塩焼きだったが、箸で身をほぐすと、厚みのある肉がほろりとはずれた。口に運ぶと、上品な旨みと甘みが舌に広がった。きめの細やかな身はのどごしも心地よい。皮の裏側にうっすらと乗った脂も絶品だった。このベラを塩焼きで供した料理人の気持ちが分かるような気がした。<br>　これほど美味い魚だったとは…。いや、瀬戸内のそれはまったくの別物だった。で、半身を食べたところで、ある記憶が甦った。千葉県の九十九里で食べたイシモチだ。東京湾でシロギスなどを釣っていて混じるイシモチは身がパサつくものも多く、香りも乏しい。まずいとは思わないけれど、箸が進むものでもなかった。<br>　が、ある時、片貝海岸に近い東金市の恩師を訪ねると、昼食にイシモチが現れた。「今朝、早起きして釣ってきたんだよ」と笑う。大きめでふっくらと身のつきもよかったけれど、内心、「イシモチか…」と、大した期待もせずに箸をつけた。ひと口食べて驚いた。<br>　香り、甘み、品のよい脂に箸が止まらない。さっと塩を振って焼いてあったが、あっという間に2尾を平らげた。「見るかい？」と持ってきたクーラーボックスにはまだ3尾残っていて、東京湾で見るのとは大違い。光の角度でパールピンクに輝く魚体は肌艶が見事で、手にとると身の割に持ち重りがした。<br>　そんなことが甦りながらベラを完食…やがて、小ぶりなメジナの煮漬けや、カサゴのアラを揚げたもの、シロギスなど、身近な魚が次々と卓に並んだ。鯛やタコもよかったけれど、こういった魚たちが抜群に美味かった。<br>「瀬戸内に来たらね………雑魚を食べなきゃだめなんです。雑魚が美味しいんです」。目の前の魚に無我夢中の私を見て牧さんが微笑んだ。<br>　雑魚……その言葉に込められた瀬戸内の人々の誇り、愛情。あの晩の感動は今も鮮やかに甦る。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/２_1-1-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-13272"/><figcaption>取材の夜…ベラの美味さに驚いた。ふっくらとした身をほぐすと芳香が立ちのぼる</figcaption></figure>
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<!-- wp:image {"id":13273,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/3_5-1024x627.jpg" alt="" class="wp-image-13273"/><figcaption>「滋味」という言葉が似合う瀬戸内の魚たち。豊かな環境が育む恵みだ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　宿の夕食は、下津井の魚介が出るということで楽しみだった。山奥の宿で、鮪の大トロやヒラメが現れるような目には遭いたくないし、それではここを選んだ意味がない。<br>　Y君が現れ、3人の宴が始まった。この晩は下津井タコが、さまざまな料理が少量ずつ運ばれてきた。その合間にやはり瀬戸のさりげない魚介が、さりげない料理で供される。再会を喜んでくれたY君の笑顔もあって、素敵な夕餉となった。あの晩の料理店に比べればずっと素朴でカジュアルだったが、それがまた心地よかった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":13275,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/６-1024x761.jpg" alt="" class="wp-image-13275"/><figcaption>食事処には、下津井らしい品書きが…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":13274,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/7_11.jpg" alt="" class="wp-image-13274"/><figcaption>宿の夕食は下津井タコのパレードだった。その合間を「雑魚」がつないで、約2時間。瀬戸内海の豊かさをかみしめるひと時だった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　帰途につく彼を見送って外に出ると、月が美しかった。いつのまにか無風になって、静寂が港を包んでいる。ちょっと散歩したいなぁ…と思ったけれど、かなり進んだ酒のせいで足がおぼつかない。今になって、なんともったいないことをしたのだろう…と悔いたりするのも、我がぐうたら旅らしい顛末(笑)。次の楽しみにとっておこう。<br>　この小さな町の魅力が、万人に理解されるものではないことは百も承知だ。コンビニも信号もない静かな港町。「何もないじゃん…」と言われれば、素直にうなずくし、黙って微笑むしかない。夜中にちょっと出てカップ麺やコンビニスイーツを買うこともできないし、カラオケスナックだって徒歩では行けない。そりゃそうです。だから来たのだもの(笑)。<br>　しかし、それでこそ味わうことのできる至福のひと時がここにはある。人気観光サイトの上位に並ぶようなメジャー観光地では決して得られることのない歓びがある。<br>　愛車を駆って、思いつきに身を任せ、あちらこちらに寄り道し、気まぐれな時間を過ごしながらやってきた瀬戸内の港町。これだからぐうたらワゴン旅はやめられない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong> </p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>
旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="944" height="627" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1.jpg 944w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-300x199.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-768x510.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-696x462.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-1-632x420.jpg 632w" sizes="auto, (max-width: 944px) 100vw, 944px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2>下津井の夜。瀬戸内の恵みに浸る…</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　宿に戻ると、夕食にはまだ早かったので、部屋で到着祝いにビールを抜いた。座卓とテレビ、座布団という素朴な空間が微笑ましかった。まだ春は浅いけれど、波音を聞きながら乾杯…と窓を少し開けてみる。少々肌寒い。でも、港で胸いっぱい吸い込んだ潮の香りが、部屋にも滑り込んできた。<br>　空は群青色に染まり始めていた。走るクルマも道往く人の姿もない。静かだ。でも、不思議と廃れたような寂しさや、物哀しさはない。むしろ、瀬戸の海に抱かれるようなほのぼのとした穏やかさを感じる。それが下津井の魅力なのだろう。<br>　夕食はY君も誘っていて、旧交を温めるのはもちろん、下津井の海の幸や瀬戸内の話をいろいろ聞いてみたいと思っていた。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/１_1-1.jpg" alt="" class="wp-image-13271"/><figcaption>あの下津井ワカメを扱う海産物店が宿のすぐ脇にあった。素朴な設えに惹きこまれる</figcaption></figure>
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<p>　さて、話はちょっと遡るのだが、例の取材の晩に、平成レンタカーの牧社長と夕食をご一緒する機会を得た。コーディネーターを務めてくれたY君も同席し、宴が始まると、さまざまな魚料理が卓を飾った。鯛の兜煮やタコ料理など、このエリアを代表する品々に混じって、関東の飲食店ではあまり見かけない魚がやってきた。ベラだ。正確にはキュウセンと呼ばれる魚でほぼ全国に分布するがこのあたりでは、ギザミと呼ぶらしい。その仲間は非常に多く、呼び名も地方によってさまざまだ。釣りをする方なら珍しくもなんともない魚で、湘南や三浦半島でシロギスやカレイを狙っていれば、ちょくちょく竿を曲げる。<br>　しかし、割烹はもちろん居酒屋でさえ、近似種も含め、品書きに載ることは少ない。たくさんいるのに、あまり流通されないからだ。湘南あたりで獲れるのは小さいものも多くて、要は、関東では金が取れない魚なのだろう。<br>　この晩、私の目の前に現れたのは20㎝を超していた。腹はふっくらと膨らみ、香ばしい匂いが鼻をくすぐる。シンプルな塩焼きだったが、箸で身をほぐすと、厚みのある肉がほろりとはずれた。口に運ぶと、上品な旨みと甘みが舌に広がった。きめの細やかな身はのどごしも心地よい。皮の裏側にうっすらと乗った脂も絶品だった。このベラを塩焼きで供した料理人の気持ちが分かるような気がした。<br>　これほど美味い魚だったとは…。いや、瀬戸内のそれはまったくの別物だった。で、半身を食べたところで、ある記憶が甦った。千葉県の九十九里で食べたイシモチだ。東京湾でシロギスなどを釣っていて混じるイシモチは身がパサつくものも多く、香りも乏しい。まずいとは思わないけれど、箸が進むものでもなかった。<br>　が、ある時、片貝海岸に近い東金市の恩師を訪ねると、昼食にイシモチが現れた。「今朝、早起きして釣ってきたんだよ」と笑う。大きめでふっくらと身のつきもよかったけれど、内心、「イシモチか…」と、大した期待もせずに箸をつけた。ひと口食べて驚いた。<br>　香り、甘み、品のよい脂に箸が止まらない。さっと塩を振って焼いてあったが、あっという間に2尾を平らげた。「見るかい？」と持ってきたクーラーボックスにはまだ3尾残っていて、東京湾で見るのとは大違い。光の角度でパールピンクに輝く魚体は肌艶が見事で、手にとると身の割に持ち重りがした。<br>　そんなことが甦りながらベラを完食…やがて、小ぶりなメジナの煮漬けや、カサゴのアラを揚げたもの、シロギスなど、身近な魚が次々と卓に並んだ。鯛やタコもよかったけれど、こういった魚たちが抜群に美味かった。<br>「瀬戸内に来たらね………雑魚を食べなきゃだめなんです。雑魚が美味しいんです」。目の前の魚に無我夢中の私を見て牧さんが微笑んだ。<br>　雑魚……その言葉に込められた瀬戸内の人々の誇り、愛情。あの晩の感動は今も鮮やかに甦る。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/２_1-1-1024x683.jpg" alt="" class="wp-image-13272"/><figcaption>取材の夜…ベラの美味さに驚いた。ふっくらとした身をほぐすと芳香が立ちのぼる</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/3_5-1024x627.jpg" alt="" class="wp-image-13273"/><figcaption>「滋味」という言葉が似合う瀬戸内の魚たち。豊かな環境が育む恵みだ</figcaption></figure>
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<p>　宿の夕食は、下津井の魚介が出るということで楽しみだった。山奥の宿で、鮪の大トロやヒラメが現れるような目には遭いたくないし、それではここを選んだ意味がない。<br>　Y君が現れ、3人の宴が始まった。この晩は下津井タコが、さまざまな料理が少量ずつ運ばれてきた。その合間にやはり瀬戸のさりげない魚介が、さりげない料理で供される。再会を喜んでくれたY君の笑顔もあって、素敵な夕餉となった。あの晩の料理店に比べればずっと素朴でカジュアルだったが、それがまた心地よかった。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/６-1024x761.jpg" alt="" class="wp-image-13275"/><figcaption>食事処には、下津井らしい品書きが…</figcaption></figure>
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<p>　帰途につく彼を見送って外に出ると、月が美しかった。いつのまにか無風になって、静寂が港を包んでいる。ちょっと散歩したいなぁ…と思ったけれど、かなり進んだ酒のせいで足がおぼつかない。今になって、なんともったいないことをしたのだろう…と悔いたりするのも、我がぐうたら旅らしい顛末(笑)。次の楽しみにとっておこう。<br>　この小さな町の魅力が、万人に理解されるものではないことは百も承知だ。コンビニも信号もない静かな港町。「何もないじゃん…」と言われれば、素直にうなずくし、黙って微笑むしかない。夜中にちょっと出てカップ麺やコンビニスイーツを買うこともできないし、カラオケスナックだって徒歩では行けない。そりゃそうです。だから来たのだもの(笑)。<br>　しかし、それでこそ味わうことのできる至福のひと時がここにはある。人気観光サイトの上位に並ぶようなメジャー観光地では決して得られることのない歓びがある。<br>　愛車を駆って、思いつきに身を任せ、あちらこちらに寄り道し、気まぐれな時間を過ごしながらやってきた瀬戸内の港町。これだからぐうたらワゴン旅はやめられない。</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong> </p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>
旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】９日間、2000㎞のぐうたらワゴン旅　その11</title>
		<link>https://autobild.jp/12929/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 05 Feb 2022 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[Mercedes Benz]]></category>
		<category><![CDATA[S211]]></category>
		<category><![CDATA[うどん県]]></category>
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		<category><![CDATA[鷲羽山ビジターセンター]]></category>
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					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="934" height="623" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1.jpg 934w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-300x200.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-768x512.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-696x464.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-630x420.jpg 630w" sizes="auto, (max-width: 934px) 100vw, 934px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2>下津井の夕暮れと、うどん巡りレンタカーの思い出</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　津山から下津井へは、中国自動車道を経由して岡山道へ。生まれて初めての道だ。こんなことを書いたら叱られるかもしれないけれど、走行しているクルマの少なさに感動する(笑)。アクセルだけでのんびりと走る旅…とりとめのない話を交わしながら下津井への想いを募らせるドライブ…。いやぁ、快適そのもの。言い換えれば、普段いかにストレスを抱えたドライブをしているかということにもなるわけで…。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　こういうルートは、“走る”ことが好きな御仁には退屈かもしれないけれど…私と211ワゴンのぐうたらコンビにはぴったりだった。で、降りたのは水島インター。このエリアには、人気観光地として知られる倉敷の美観地区があるが、以前訪ねたので今回はパスし、未知の水島工業地帯を眺めながら海沿いに下津井へ入ることにした。規模の大きな工場が連なる一帯は、東京を出てからこの日まで眺めてきた光景とは全く異なり、異様な迫力と存在感を漂わせていた。その先にあの素朴な漁港があるなんて…。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/１_1.jpg" alt="" class="wp-image-12930"/><figcaption>瀬戸大橋を下から眺めてみたいとクルマを走らせたら、平氏ゆかりの碑が…。ここが歴史の舞台であったことを知る</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　下津井の街は、あの時のままだった。到着したのは午後３時過ぎだったろうか…。港に沿った道にはひと気もなく、日暮れ前の静かな時間が流れていた。下津井の魅力を教えてくれたY君の家は漁港の目の前。道路一本隔てて漁船が並んでいる。連絡を取ると人懐っこい笑顔で現れた。<br>　明るいうちに、瀬戸大橋をのぞむ鷲羽山ビジターセンターへ案内してくれるという。標高100m余から眺める雄大な瀬戸内海は見事だった。ちょうど潮が動く時合なのか、幾筋もの激しい流れが渓流のようにぶつかりあっていた。低くなった午後の陽光がそこに、差して、上質な縮緬のように輝く。息を呑む美しさだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":12931,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/２_1.jpg" alt="" class="wp-image-12931"/><figcaption>鷲羽山にのぼると、橋の先には四国が…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":12932,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/３_1.jpg" alt="" class="wp-image-12932"/><figcaption>瀬戸内海の海底から太古の象の骨が発見され、日本が大陸と地続きだったことの証左だと…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　それにしても四国の近いこと。手が届きそうと言ったら少し大げさだが、ここからだと、ちょっとランチで讃岐のうどんを…と渡っていくこともあるという話が納得できる。<br>　話が前後するのだが、以前触れたように取材で訪れたきっかけは、岡山の平成レンタカーだった。同社は、法人需要を見込んで1992年に設立したものの、やがて目を付けたのが讃岐のうどんだったという。ちょうど単行本「恐るべきさぬきうどん」が話題になり、四国のうどん文化が注目されるようになった時期だ。社員と共にうどん店巡りを楽しんでいた同社の牧社長は、5杯食べても1000円程度という当地のうどん事情に目をつける。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":12933,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/４_1.jpg" alt="" class="wp-image-12933"/><figcaption>レンタカーでうどん店巡りというアイデアが成長のきっかけだったという</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/５_1.jpg" alt="" class="wp-image-12934"/><figcaption>1日5軒巡っても1000円…そんなフレーズがうどんファンの心をつかんだ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そして、1日５軒、レンタカーでうどん店を巡る…そんな楽しみ方を提案したのである。「香川は700～800軒のパビリオンがあるテーマパークのようなものですからね」。そう言って微笑んだ。<br>　貸し出すクルマのナビには、社員が食べ歩いて蓄積していたデータをあらかじめインプット。さらに撮りためた画像を使ってガイドの冊子も自製した。<br>　人気店は、大型車で入りにくい山間の細道や田んぼのあぜ道の奥ということが珍しくないご当地事情も、軽自動車がメインだった同社にとっては追い風になった。「そりゃ、大きいクルマを貸したほうが儲かるんですけどね。自分で回ってみて、細い道が多いからストレスを感じたんです。せっかく四国へきてうどんを楽しもうという時に、クルマをこすったり、何度も切り返したりなんてイヤな思いをしてほしくないんですよ」</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/６_1-1024x645.jpg" alt="" class="wp-image-12936"/><figcaption>讃岐うどんの人気店は、山奥や農道の奥なんてロケーションも珍しくない。軽自動車の独壇場だ</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/７_1.jpg" alt="" class="wp-image-12937"/><figcaption>社員が集めた情報で自家製ガイドブックも作成</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/８_1.jpg" alt="" class="wp-image-12935"/><figcaption>レンタカーでお遍路！というコンセプトも打ち出した</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/９_1.jpg" alt="" class="wp-image-12938"/><figcaption>軽のキャンピングカーで楽々キャンプもプロデュース。同社のアイデアは留まることを知らない</figcaption></figure>
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<!-- wp:image {"id":12939,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/１０_1.jpg" alt="" class="wp-image-12939"/><figcaption>一杯200円程度で楽しめる店が数多く存在するが、取材で到着した時刻には、そんな店が営業を終えていて、ちょっと豪華版を…(笑)。</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　やがて、讃岐うどんをテーマにした映画が全国的にヒットし、高松空港へのLCCの就航で、全国から気軽に足を伸ばせるようになった。札幌から日帰りでうどん巡りを楽しむ客も現れ、事業は拡大していったという。<br>　クルマで地域創生というテーマで雑誌を編集していた時、そんな話を耳にしたものだから居ても立ってもいられなくなった。そして、取材の過程で下津井と出会うのである。　</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　宿は港の近く…というより、道路一本隔てたまさに目の前。下津井付近には、松竹梅…いくつかの宿泊施設があったけれど、とにかく下津井港を身近に感じられる宿にしたかった。潮の香り、波の音、海の夕暮れに接して時間を過ごしたいと探してみたら、民宿のような素朴な一軒が見つかった。下津井のタコも供するらしい。Y君宅からも歩いて数分…脇には軒先に下津井ワカメを並べる海産物店もある。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　彼と一旦別れ、チェックインすることにした。昭和の薫り漂うその宿はひと気がなく、大声で来訪を告げるとようやく主人が現れたが、そののんびりした雰囲気が心地よかった。宿泊客は私たちだけで、風呂はもちろん、すべて貸し切り状態のようだ。考えてみれば、夏ならまだしもようやく春の気配…という時期に、この港町を訪ねる観光客は私たちくらいのものだろう。規模の割に食事処が広かったけれど、食事だけの観光バスを受け入れたりするのかもしれない。宿の木のサンダルに履き替え、連れ合いと港に出てみた。出てみた…と言っても、徒歩何歩？と数えられるような距離である。Y君によれば岸からカサゴなどが釣れるらしいが、釣り人の姿は見えない。<br>　瀬戸内の空は陰り始め、薄墨色に染まり始めていた。係留された漁船にわずかな波が当たって心地よいリズムの水音が響く。コンクリートのブロックに腰を下ろして足元を覗けば、小魚の群れが微かにきらめいていた。見渡すかぎり誰もいない。<br>　下津井のまったりとした日暮れのひと時…これを味わいたかった。この豊かな時間に身を置きたかった。贅沢とひと言で片づけてしまっては申し訳ないけれど、ほかに言葉が見つからない。来てよかった…心からそう思った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong> </p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br> 旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="934" height="623" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1.jpg 934w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-300x200.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-768x512.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-696x464.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/タイトル_1-630x420.jpg 630w" sizes="auto, (max-width: 934px) 100vw, 934px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2>下津井の夕暮れと、うどん巡りレンタカーの思い出</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　津山から下津井へは、中国自動車道を経由して岡山道へ。生まれて初めての道だ。こんなことを書いたら叱られるかもしれないけれど、走行しているクルマの少なさに感動する(笑)。アクセルだけでのんびりと走る旅…とりとめのない話を交わしながら下津井への想いを募らせるドライブ…。いやぁ、快適そのもの。言い換えれば、普段いかにストレスを抱えたドライブをしているかということにもなるわけで…。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　こういうルートは、“走る”ことが好きな御仁には退屈かもしれないけれど…私と211ワゴンのぐうたらコンビにはぴったりだった。で、降りたのは水島インター。このエリアには、人気観光地として知られる倉敷の美観地区があるが、以前訪ねたので今回はパスし、未知の水島工業地帯を眺めながら海沿いに下津井へ入ることにした。規模の大きな工場が連なる一帯は、東京を出てからこの日まで眺めてきた光景とは全く異なり、異様な迫力と存在感を漂わせていた。その先にあの素朴な漁港があるなんて…。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/１_1.jpg" alt="" class="wp-image-12930"/><figcaption>瀬戸大橋を下から眺めてみたいとクルマを走らせたら、平氏ゆかりの碑が…。ここが歴史の舞台であったことを知る</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　下津井の街は、あの時のままだった。到着したのは午後３時過ぎだったろうか…。港に沿った道にはひと気もなく、日暮れ前の静かな時間が流れていた。下津井の魅力を教えてくれたY君の家は漁港の目の前。道路一本隔てて漁船が並んでいる。連絡を取ると人懐っこい笑顔で現れた。<br>　明るいうちに、瀬戸大橋をのぞむ鷲羽山ビジターセンターへ案内してくれるという。標高100m余から眺める雄大な瀬戸内海は見事だった。ちょうど潮が動く時合なのか、幾筋もの激しい流れが渓流のようにぶつかりあっていた。低くなった午後の陽光がそこに、差して、上質な縮緬のように輝く。息を呑む美しさだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":12931,"sizeSlug":"large"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/２_1.jpg" alt="" class="wp-image-12931"/><figcaption>鷲羽山にのぼると、橋の先には四国が…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/３_1.jpg" alt="" class="wp-image-12932"/><figcaption>瀬戸内海の海底から太古の象の骨が発見され、日本が大陸と地続きだったことの証左だと…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　それにしても四国の近いこと。手が届きそうと言ったら少し大げさだが、ここからだと、ちょっとランチで讃岐のうどんを…と渡っていくこともあるという話が納得できる。<br>　話が前後するのだが、以前触れたように取材で訪れたきっかけは、岡山の平成レンタカーだった。同社は、法人需要を見込んで1992年に設立したものの、やがて目を付けたのが讃岐のうどんだったという。ちょうど単行本「恐るべきさぬきうどん」が話題になり、四国のうどん文化が注目されるようになった時期だ。社員と共にうどん店巡りを楽しんでいた同社の牧社長は、5杯食べても1000円程度という当地のうどん事情に目をつける。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/４_1.jpg" alt="" class="wp-image-12933"/><figcaption>レンタカーでうどん店巡りというアイデアが成長のきっかけだったという</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2022/02/５_1.jpg" alt="" class="wp-image-12934"/><figcaption>1日5軒巡っても1000円…そんなフレーズがうどんファンの心をつかんだ</figcaption></figure>
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<p>　そして、1日５軒、レンタカーでうどん店を巡る…そんな楽しみ方を提案したのである。「香川は700～800軒のパビリオンがあるテーマパークのようなものですからね」。そう言って微笑んだ。<br>　貸し出すクルマのナビには、社員が食べ歩いて蓄積していたデータをあらかじめインプット。さらに撮りためた画像を使ってガイドの冊子も自製した。<br>　人気店は、大型車で入りにくい山間の細道や田んぼのあぜ道の奥ということが珍しくないご当地事情も、軽自動車がメインだった同社にとっては追い風になった。「そりゃ、大きいクルマを貸したほうが儲かるんですけどね。自分で回ってみて、細い道が多いからストレスを感じたんです。せっかく四国へきてうどんを楽しもうという時に、クルマをこすったり、何度も切り返したりなんてイヤな思いをしてほしくないんですよ」</p>
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<p>　宿は港の近く…というより、道路一本隔てたまさに目の前。下津井付近には、松竹梅…いくつかの宿泊施設があったけれど、とにかく下津井港を身近に感じられる宿にしたかった。潮の香り、波の音、海の夕暮れに接して時間を過ごしたいと探してみたら、民宿のような素朴な一軒が見つかった。下津井のタコも供するらしい。Y君宅からも歩いて数分…脇には軒先に下津井ワカメを並べる海産物店もある。</p>
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<p>　彼と一旦別れ、チェックインすることにした。昭和の薫り漂うその宿はひと気がなく、大声で来訪を告げるとようやく主人が現れたが、そののんびりした雰囲気が心地よかった。宿泊客は私たちだけで、風呂はもちろん、すべて貸し切り状態のようだ。考えてみれば、夏ならまだしもようやく春の気配…という時期に、この港町を訪ねる観光客は私たちくらいのものだろう。規模の割に食事処が広かったけれど、食事だけの観光バスを受け入れたりするのかもしれない。宿の木のサンダルに履き替え、連れ合いと港に出てみた。出てみた…と言っても、徒歩何歩？と数えられるような距離である。Y君によれば岸からカサゴなどが釣れるらしいが、釣り人の姿は見えない。<br>　瀬戸内の空は陰り始め、薄墨色に染まり始めていた。係留された漁船にわずかな波が当たって心地よいリズムの水音が響く。コンクリートのブロックに腰を下ろして足元を覗けば、小魚の群れが微かにきらめいていた。見渡すかぎり誰もいない。<br>　下津井のまったりとした日暮れのひと時…これを味わいたかった。この豊かな時間に身を置きたかった。贅沢とひと言で片づけてしまっては申し訳ないけれど、ほかに言葉が見つからない。来てよかった…心からそう思った。</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong> </p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br> 旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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