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	<title>ひねもすのたり - AUTO BILD JAPAN Web（アウトビルトジャパンウェブ） 世界最大級のクルマ情報サイト</title>
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	<description>世界最大級のクルマ情報サイトAUTO BILDの日本版。いち早い新車情報。高品質なオリジナル動画ビデオ満載。チューニングカー、ネオクラシックなど世界のクルマ情報は「アウトビルトジャパン」でゲット！</description>
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	<title>ひねもすのたり - AUTO BILD JAPAN Web（アウトビルトジャパンウェブ） 世界最大級のクルマ情報サイト</title>
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	<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その13</title>
		<link>https://autobild.jp/41176/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 28 Aug 2024 02:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[コリヤナギ]]></category>
		<category><![CDATA[たくみ工芸]]></category>
		<category><![CDATA[ナルちゃんバスケット]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[出石町]]></category>
		<category><![CDATA[柳行李]]></category>
		<category><![CDATA[楽々鶴]]></category>
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		<category><![CDATA[酒蔵]]></category>
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					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" fetchpriority="high" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1-768x576.jpg 768w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">蕎麦の街を散歩したら、皇族御用達…柳行李の匠に出会った</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　蕎麦を満喫して、外に出たらさらに人の流れが増えていた。駐車場に戻るだけとはいえ、人混みをかき分けて進むのはストレスがたまるので、ちょいと遠回りでも、裏道でのんびり帰ることにした。規則正しい町割りだから、超方向音痴の私でもなんとかなりそうだし、時代劇のワンシーンのような光景に出会えそうな雰囲気だったからである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　しかし、この思いつきが、まったく予想していなかった出会い…この旅のハイライトに導いてくれたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　あっちブラブラ、こっちキョロキョロ、蕎麦で膨れた腹を抱えて歩いていたら、進む先の右手に巨大な赤い土蔵が現れた。裏のほうはかなり古風で一部土がはがれ、竹の支柱がむき出しになっていたりもするが、それが不思議な美しさを漂わせていて廃墟には見えない。そして、圧倒的な迫力に目を見張る。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さらに進んでいくと、その威容はやはりただ者ではなかった。傷みは、長年風雨に晒されていたことをうかがわせるが、多くの部分は修復され建物が現役であることを教えてくれる。いったい何の蔵なんだろう…興味津々で近寄ると「楽々鶴」の三文字が目に入った。酒蔵だ。城下町に古い酒蔵…考えてみればなんの不思議もない組み合わせである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41178,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/１_1-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-41178"/><figcaption class="wp-element-caption">巨大な土壁の蔵。道路に面した部分はきれいに仕上げられていたが、風雨にさらされ傷ついた面もあり、歴史を感じさせた</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　と、その時、左手の空き地に止まる１台の軽トラックが目に入った。蔵の存在感に目を奪われ、周りが見えていなかったけれど、蔵の向かいに小さな店があったのだ。軽トラックはその脇に止まっていて、女性がひとり、荷台に積まれたアシのような植物を降ろしている。なんだろう。思わず声を掛けた。　</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41179,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/２_1-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-41179"/><figcaption class="wp-element-caption">軽トラックからアシのような植物を降ろす女性の姿が…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　「コリヤナギなんですよ」。優しそうな微笑みで答える。初めて聞く名前だが、思い当たる節があって問い直した。「ひょっとして柳行李を作るヤナギですか？」<br>　「そうです。ウチはコリヤナギの栽培から行李の製造までやってるんです」と言って、その小さな店に顔を向けたのだった。店の外壁にはクルマから降ろした枝を、乾燥のためか大量に立てかけてあった。近年、私達の生活から姿を消しつつある柳行李だが、かつてはいろいろなものを収納する和風バスケットとして、暮らしに深く根差していて、現在でも、歌舞伎界や相撲部屋では使われている。「ちょっとお店を見せてもらえますか」と確認すると、また優しく微笑んだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41186,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/スライド1-1-1024x379.jpg" alt="" class="wp-image-41186"/><figcaption class="wp-element-caption">アシではない…笹のようにも見える（左）その脇で壁に立てかけ、干しているようだった（右）</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　店の表には「たくみ工芸」と「豊岡杞柳細工」の銘が掲げられていた。中には、所狭しと作品が並んでいて、奥の小上がりが工房の作業場になっている。お世辞にも広いとは言えない店内だが、客席から舞台を眺めるような雰囲気があって窮屈さは感じない。むしろ、粋なアトリエの香りさえ漂っていた。店主や夫人の穏やかな語り口は、老舗の誇りと自信にあふれていて心地よかった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41180,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/５_1-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-41180"/><figcaption class="wp-element-caption">こぢんまりとした建物は工房のようで…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　柳行李の専門店と思っていたが、クラシックな大正バスケットや旅行用鞄、インテリア小物までさまざまな工芸品が並んでいて目移りする。釣りのビクやワインバスケットなど、小粋な品もさりげなく展示され、時代や世情に合わせた商品開発が重ねられてきたことをうかがわせた。店主を取材したさまざまな雑誌や写真集も並んでいて、多くのメディアで取り上げられたことを伝えている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41181,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/６_1-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-41181"/><figcaption class="wp-element-caption">まさかここが皇室も愛用の老舗だとは</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　豊岡杞柳細工として、この産業が発達した背景には、原料のコリヤナギが円山川の荒れ地に自生していたことがあったらしい。その後、地場産業として発達していったが、江戸時代になり領主が栽培と技術の振興を進めたことによって、全国にその名を知られることとなった。現在ではコリヤナギの栽培から加工、商品製作、販売まで一貫して行なうのは、このたくみ工芸だけになってしまったというが、私が外で見かけたのは、まさにその工程のひとつだったのである。さすがに何十万円というトランクや鞄には手が出なかったけれど、洗練されたデザインの一輪挿しに心を奪われ、購入することにした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41188,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/スライド3-2-1024x381.jpg" alt="" class="wp-image-41188"/><figcaption class="wp-element-caption">バスケットや行李がただならぬオーラを発していた</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　たくみ工芸の作品は、皇族にも愛されてきたという。店内の古い写真には、同店のお弁当バスケットを手にした徳仁親王（今上天皇）が映っていた。「ナルちゃんバスケット」と呼ばれ、お気に入りだったと伝えられている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41184,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/９_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-41184"/><figcaption class="wp-element-caption">現代にもマッチするさまざまな作品が並んでいて、目を楽しませてくれる</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さまざまな商品に圧倒されていると、年季の入った取手付きに籠が目に入った。よろい編みという技法で作られる大正バスケットで、現在でもオーダーを受けているという。芸術的な編み目の美しさと、それを叶える超絶技巧に想いを馳せたが、この大正バスケットとの出会いが、今回の旅を締めくくる神戸の夜で、さらに驚きと喜びをもたらしてくれるとは、この時、思いもしなかった。まさに旅はサプライズの連続だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":41185,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/１０_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-41185"/><figcaption class="wp-element-caption">店の奥には作業スペースが。美しい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/IMG_3589-1_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">蕎麦の街を散歩したら、皇族御用達…柳行李の匠に出会った</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　蕎麦を満喫して、外に出たらさらに人の流れが増えていた。駐車場に戻るだけとはいえ、人混みをかき分けて進むのはストレスがたまるので、ちょいと遠回りでも、裏道でのんびり帰ることにした。規則正しい町割りだから、超方向音痴の私でもなんとかなりそうだし、時代劇のワンシーンのような光景に出会えそうな雰囲気だったからである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<p>　しかし、この思いつきが、まったく予想していなかった出会い…この旅のハイライトに導いてくれたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<p>　あっちブラブラ、こっちキョロキョロ、蕎麦で膨れた腹を抱えて歩いていたら、進む先の右手に巨大な赤い土蔵が現れた。裏のほうはかなり古風で一部土がはがれ、竹の支柱がむき出しになっていたりもするが、それが不思議な美しさを漂わせていて廃墟には見えない。そして、圧倒的な迫力に目を見張る。</p>
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<p>　さらに進んでいくと、その威容はやはりただ者ではなかった。傷みは、長年風雨に晒されていたことをうかがわせるが、多くの部分は修復され建物が現役であることを教えてくれる。いったい何の蔵なんだろう…興味津々で近寄ると「楽々鶴」の三文字が目に入った。酒蔵だ。城下町に古い酒蔵…考えてみればなんの不思議もない組み合わせである。</p>
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<p>　と、その時、左手の空き地に止まる１台の軽トラックが目に入った。蔵の存在感に目を奪われ、周りが見えていなかったけれど、蔵の向かいに小さな店があったのだ。軽トラックはその脇に止まっていて、女性がひとり、荷台に積まれたアシのような植物を降ろしている。なんだろう。思わず声を掛けた。　</p>
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<p>　「コリヤナギなんですよ」。優しそうな微笑みで答える。初めて聞く名前だが、思い当たる節があって問い直した。「ひょっとして柳行李を作るヤナギですか？」<br>　「そうです。ウチはコリヤナギの栽培から行李の製造までやってるんです」と言って、その小さな店に顔を向けたのだった。店の外壁にはクルマから降ろした枝を、乾燥のためか大量に立てかけてあった。近年、私達の生活から姿を消しつつある柳行李だが、かつてはいろいろなものを収納する和風バスケットとして、暮らしに深く根差していて、現在でも、歌舞伎界や相撲部屋では使われている。「ちょっとお店を見せてもらえますか」と確認すると、また優しく微笑んだ。</p>
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<p>　店の表には「たくみ工芸」と「豊岡杞柳細工」の銘が掲げられていた。中には、所狭しと作品が並んでいて、奥の小上がりが工房の作業場になっている。お世辞にも広いとは言えない店内だが、客席から舞台を眺めるような雰囲気があって窮屈さは感じない。むしろ、粋なアトリエの香りさえ漂っていた。店主や夫人の穏やかな語り口は、老舗の誇りと自信にあふれていて心地よかった。</p>
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<p>　柳行李の専門店と思っていたが、クラシックな大正バスケットや旅行用鞄、インテリア小物までさまざまな工芸品が並んでいて目移りする。釣りのビクやワインバスケットなど、小粋な品もさりげなく展示され、時代や世情に合わせた商品開発が重ねられてきたことをうかがわせた。店主を取材したさまざまな雑誌や写真集も並んでいて、多くのメディアで取り上げられたことを伝えている。</p>
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<p>　豊岡杞柳細工として、この産業が発達した背景には、原料のコリヤナギが円山川の荒れ地に自生していたことがあったらしい。その後、地場産業として発達していったが、江戸時代になり領主が栽培と技術の振興を進めたことによって、全国にその名を知られることとなった。現在ではコリヤナギの栽培から加工、商品製作、販売まで一貫して行なうのは、このたくみ工芸だけになってしまったというが、私が外で見かけたのは、まさにその工程のひとつだったのである。さすがに何十万円というトランクや鞄には手が出なかったけれど、洗練されたデザインの一輪挿しに心を奪われ、購入することにした。</p>
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<p>　たくみ工芸の作品は、皇族にも愛されてきたという。店内の古い写真には、同店のお弁当バスケットを手にした徳仁親王（今上天皇）が映っていた。「ナルちゃんバスケット」と呼ばれ、お気に入りだったと伝えられている。</p>
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<p>　さまざまな商品に圧倒されていると、年季の入った取手付きに籠が目に入った。よろい編みという技法で作られる大正バスケットで、現在でもオーダーを受けているという。芸術的な編み目の美しさと、それを叶える超絶技巧に想いを馳せたが、この大正バスケットとの出会いが、今回の旅を締めくくる神戸の夜で、さらに驚きと喜びをもたらしてくれるとは、この時、思いもしなかった。まさに旅はサプライズの連続だ。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/１０_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-41185"/><figcaption class="wp-element-caption">店の奥には作業スペースが。美しい</figcaption></figure>
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<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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			</item>
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		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その12</title>
		<link>https://autobild.jp/40412/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 08 Aug 2024 02:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[W211]]></category>
		<category><![CDATA[クルマ旅]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[兵庫県]]></category>
		<category><![CDATA[出石蕎麦]]></category>
		<category><![CDATA[北近畿豊岡自動車道]]></category>
		<category><![CDATA[城崎温泉]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://autobild.jp/?p=40412</guid>

					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">蕎麦を目当てに訪ねた城下町出石。<br>柳行李の匠との思いがけない出会い</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　翌日は、神戸に向かう流れだった。とはいえ、やはり夕方に着けばいいので、行程は気分次第。神戸でお世話になる義姉宅へ何か手土産を用意したかったが、せっかく城崎に来たのだから、新鮮な魚介を手に入れようと目論んだ。前夜の夕食時に、シェフにそれとなく尋ねると、彼の店の仕入先を薦めてくれた。「あそこなら間違いないですよ」と、またまた照れくさそうな笑顔で店名を口にする。それなら安心…彼のお墨付きとは心強い。以前、北海道の小樽でカニを買ったら、店頭に並んでいたのとは比べ物にならない品が届いて憤慨したことがあり、観光客ねらいの詐欺まがいはなんとか避けたいと思っていたのだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/１_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-40414"/><figcaption class="wp-element-caption">おけしょう鮮魚。前夜のレストランのシェフが薦めてくれた</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そこは、温泉街から城崎温泉駅に向かう道沿いにあった。周りには定食屋や派手な店構えの蟹料理店が何軒か並び、観光客をいざなっている。教えられた先はちょっと大き目だが、ごく普通の鮮魚店。様々な魚介が入った発泡スチロールの箱がずらりと並んでいて、少し前までは、どこの街にもあった、あの素朴な雰囲気を漂わせている。中にはエアレーションと共に生きたまま収められているのもあって、心が躍った。さっと眺めると値段は良心的で、彼が薦めたのもよく分かる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　岩ガキ、サザエ、ズワイガニ、干物 etc…その晩集まるはずの6人に充分過ぎる量と種類を頼んで1万円に届かなかったのには驚いた。この先、神戸に持参することを伝えると、保冷ケースで丁寧に梱包してくれ、城崎温泉のエピローグは文句なしの大団円となったのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":40420,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/プレゼンテーション1-1024x382.jpg" alt="" class="wp-image-40420"/><figcaption class="wp-element-caption">店内には新鮮な魚介が並び、目移りする。値段も良心的だった。さざえや大ぶりな岩牡蠣を含め、6人分の魚介をたっぷり買って1万円でおつりが来たのには驚いた</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　城崎温泉から神戸に向かうには、北近畿豊岡自動車道経由で日本海から瀬戸内海方面へ、本州をほぼ縦断するルートになる。直行すればおよそ3時間だろうか。すると、豊岡市の出石町で蕎麦を食べていこう…と、連れのリクエスト。以前、親戚と訪ねたことがあるらしい。繰り返しになるが、私は麺料理なら1週間に8日食べてもいいほどの麺好きなので大歓迎…特に蕎麦は好物だが、せいぜい信州までで関西方面の蕎麦はそれほど経験がない。まして長浜の一軒で、旅の目利きは任せたほうがいいと心得たから、これには二つ返事でOKした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　出石へは、円山川沿いに伸びる円山川リバーサイドラインで向かうことになった。これは兵庫県道3号線や国道312号線など同川沿いを走る道路の総称で、カーブやアップダウンも少なく、川に沿った美しい風景を愛でながらドライブを楽しむことができる。約20㎞、1時間弱で到着した。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そこは、きれいに道路が交差する典型的な城下町だった。昨今の観光人気に呼応してか、観光客向けの店も多いが、全体としては素朴ですっきりとした街並みである。お目当ての蕎麦店に向かうと、かなり離れたところからでも目に入るほどの人だかり…。人気店はネットで検索され、大混雑らしい。２、３軒回ったけれど、名の知れたところはどこも店の前はごった返しで同じようなものだった。そうでないところは呼び込みが煩わしいし、困ったものである。順番待ちで無駄な時間は費やしたくないし、これだけの軒数があるのだからほかにも美味しいところはあるはず…と、ちょっと意地になって歩き回ってみたら、呼び込みもおらず、それとなく老舗感のある一軒にたどり着いた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　出石で人気の観光スポット、辰鼓楼のすぐ脇だし、結構な大店だし…と、一瞬不安が過ったが(笑)、中から目が合った店員の笑顔が自然で、軽く会釈された頃には店に入っていた。この店は、平成22年10月に秋篠宮殿下・紀子妃殿のご来臨を賜ったようで、その光景を伝える写真が掲げられていたけれど、他の設えは仰々しくなく、好感が持てた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、ここで出石蕎麦の背景にちょっと触れておこう。江戸時代中期の宝永3年（1706年）に出石藩主松平氏と信州上田藩の仙石政明がお国替えとなり、仙石氏が信州から伴ってきた蕎麦職人の技術が導入され、生まれたのだという。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　特徴のひとつが出石焼の小皿に盛られることで、屋台で便利だったことから、幕末の頃にこのスタイルが広まったと伝えられている。現在では、５枚一組を一人前とし、徳利に入ったつゆと、ねぎ、わさび、卵、とろろ、大根おろしなどの薬味と共に供される。40軒ほどの蕎麦屋が腕を競っており、全国に名を知られるようになった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　私もそのベーシックな出石蕎麦を頼んでみた。5枚食べたあとは、1枚単位で追加できる。出石では箸を立てた高さまで皿を積むことができれば一人前の男として認められるらしいが、それはちょっと難しそう（笑）。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":40421,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/プレゼンテーション2-1024x381.jpg" alt="" class="wp-image-40421"/><figcaption class="wp-element-caption">（左）にしんを肴に蕎麦を待つひと時…嗚呼、甘露甘露（右）大根おろしでいただくぶっかけのような蕎麦も見目麗しい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　とりあえず、鰊の甘露煮をつまみながら蕎麦が出るのを待つ。前夜、イタリアンを楽しんだ舌が、今度は甘辛い魚料理を喜んだ。店の女性スタッフは、きびきびと身のこなしが軽く、蕎麦の説明も手慣れていて分かりやすい。街のおばちゃんの雰囲気そのままの応対が温かで、どの客も穏やかな表情で蕎麦を手繰っていた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　私は、どちらかといえば、細くて白くて喉越しのいい更科系が好みだが、やってきた蕎麦の見た目はやや違うタイプ…。しかし、手繰ってみたら、のどから鼻に抜ける蕎麦の香りに箸が止まらなくなる。つゆは思ったよりもしっかりしていて、コクが深い。蕎麦の太さ、風味とバランスもよく、いつのまにか小皿を1枚ずつ平らげていく楽しさ、心地よさに身を委ねていた。岩手のわんこそばも同じような楽しみなのだろうけど訪ねたことがないので、蕎麦を皿のリズムで楽しむ経験はここが初めてだった。あっという間に5枚を平らげて、追加で3枚。もう少し食べられそうだったが、満腹になって、この先のドライブで眠気が襲ってきても困るので、断念(笑)。全国の蕎麦好きが支持するのも、遠路を訪ねてくるのも、素直に納得である。思いつきの提案に乗ってみたら、出石蕎麦の至福に酔うことができたが、東京を発つ時、こんなひと時が待っているなんで想像もしなかった。だから、クルマ旅は楽しい。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":40422,"width":"374px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/６_1.jpg" alt="" class="wp-image-40422" style="width:374px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">出石で人気の観光スポット、辰鼓楼のすぐ脇にその蕎麦屋はあった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">蕎麦を目当てに訪ねた城下町出石。<br>柳行李の匠との思いがけない出会い</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　翌日は、神戸に向かう流れだった。とはいえ、やはり夕方に着けばいいので、行程は気分次第。神戸でお世話になる義姉宅へ何か手土産を用意したかったが、せっかく城崎に来たのだから、新鮮な魚介を手に入れようと目論んだ。前夜の夕食時に、シェフにそれとなく尋ねると、彼の店の仕入先を薦めてくれた。「あそこなら間違いないですよ」と、またまた照れくさそうな笑顔で店名を口にする。それなら安心…彼のお墨付きとは心強い。以前、北海道の小樽でカニを買ったら、店頭に並んでいたのとは比べ物にならない品が届いて憤慨したことがあり、観光客ねらいの詐欺まがいはなんとか避けたいと思っていたのだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/１_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-40414"/><figcaption class="wp-element-caption">おけしょう鮮魚。前夜のレストランのシェフが薦めてくれた</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そこは、温泉街から城崎温泉駅に向かう道沿いにあった。周りには定食屋や派手な店構えの蟹料理店が何軒か並び、観光客をいざなっている。教えられた先はちょっと大き目だが、ごく普通の鮮魚店。様々な魚介が入った発泡スチロールの箱がずらりと並んでいて、少し前までは、どこの街にもあった、あの素朴な雰囲気を漂わせている。中にはエアレーションと共に生きたまま収められているのもあって、心が躍った。さっと眺めると値段は良心的で、彼が薦めたのもよく分かる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　岩ガキ、サザエ、ズワイガニ、干物 etc…その晩集まるはずの6人に充分過ぎる量と種類を頼んで1万円に届かなかったのには驚いた。この先、神戸に持参することを伝えると、保冷ケースで丁寧に梱包してくれ、城崎温泉のエピローグは文句なしの大団円となったのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/プレゼンテーション1-1024x382.jpg" alt="" class="wp-image-40420"/><figcaption class="wp-element-caption">店内には新鮮な魚介が並び、目移りする。値段も良心的だった。さざえや大ぶりな岩牡蠣を含め、6人分の魚介をたっぷり買って1万円でおつりが来たのには驚いた</figcaption></figure>
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<p>　城崎温泉から神戸に向かうには、北近畿豊岡自動車道経由で日本海から瀬戸内海方面へ、本州をほぼ縦断するルートになる。直行すればおよそ3時間だろうか。すると、豊岡市の出石町で蕎麦を食べていこう…と、連れのリクエスト。以前、親戚と訪ねたことがあるらしい。繰り返しになるが、私は麺料理なら1週間に8日食べてもいいほどの麺好きなので大歓迎…特に蕎麦は好物だが、せいぜい信州までで関西方面の蕎麦はそれほど経験がない。まして長浜の一軒で、旅の目利きは任せたほうがいいと心得たから、これには二つ返事でOKした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　出石へは、円山川沿いに伸びる円山川リバーサイドラインで向かうことになった。これは兵庫県道3号線や国道312号線など同川沿いを走る道路の総称で、カーブやアップダウンも少なく、川に沿った美しい風景を愛でながらドライブを楽しむことができる。約20㎞、1時間弱で到着した。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<p>　そこは、きれいに道路が交差する典型的な城下町だった。昨今の観光人気に呼応してか、観光客向けの店も多いが、全体としては素朴ですっきりとした街並みである。お目当ての蕎麦店に向かうと、かなり離れたところからでも目に入るほどの人だかり…。人気店はネットで検索され、大混雑らしい。２、３軒回ったけれど、名の知れたところはどこも店の前はごった返しで同じようなものだった。そうでないところは呼び込みが煩わしいし、困ったものである。順番待ちで無駄な時間は費やしたくないし、これだけの軒数があるのだからほかにも美味しいところはあるはず…と、ちょっと意地になって歩き回ってみたら、呼び込みもおらず、それとなく老舗感のある一軒にたどり着いた。</p>
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<p>　出石で人気の観光スポット、辰鼓楼のすぐ脇だし、結構な大店だし…と、一瞬不安が過ったが(笑)、中から目が合った店員の笑顔が自然で、軽く会釈された頃には店に入っていた。この店は、平成22年10月に秋篠宮殿下・紀子妃殿のご来臨を賜ったようで、その光景を伝える写真が掲げられていたけれど、他の設えは仰々しくなく、好感が持てた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、ここで出石蕎麦の背景にちょっと触れておこう。江戸時代中期の宝永3年（1706年）に出石藩主松平氏と信州上田藩の仙石政明がお国替えとなり、仙石氏が信州から伴ってきた蕎麦職人の技術が導入され、生まれたのだという。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　特徴のひとつが出石焼の小皿に盛られることで、屋台で便利だったことから、幕末の頃にこのスタイルが広まったと伝えられている。現在では、５枚一組を一人前とし、徳利に入ったつゆと、ねぎ、わさび、卵、とろろ、大根おろしなどの薬味と共に供される。40軒ほどの蕎麦屋が腕を競っており、全国に名を知られるようになった。</p>
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<p>　私もそのベーシックな出石蕎麦を頼んでみた。5枚食べたあとは、1枚単位で追加できる。出石では箸を立てた高さまで皿を積むことができれば一人前の男として認められるらしいが、それはちょっと難しそう（笑）。</p>
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<!-- wp:image {"id":40421,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/プレゼンテーション2-1024x381.jpg" alt="" class="wp-image-40421"/><figcaption class="wp-element-caption">（左）にしんを肴に蕎麦を待つひと時…嗚呼、甘露甘露（右）大根おろしでいただくぶっかけのような蕎麦も見目麗しい</figcaption></figure>
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<p>　とりあえず、鰊の甘露煮をつまみながら蕎麦が出るのを待つ。前夜、イタリアンを楽しんだ舌が、今度は甘辛い魚料理を喜んだ。店の女性スタッフは、きびきびと身のこなしが軽く、蕎麦の説明も手慣れていて分かりやすい。街のおばちゃんの雰囲気そのままの応対が温かで、どの客も穏やかな表情で蕎麦を手繰っていた。</p>
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<p>　私は、どちらかといえば、細くて白くて喉越しのいい更科系が好みだが、やってきた蕎麦の見た目はやや違うタイプ…。しかし、手繰ってみたら、のどから鼻に抜ける蕎麦の香りに箸が止まらなくなる。つゆは思ったよりもしっかりしていて、コクが深い。蕎麦の太さ、風味とバランスもよく、いつのまにか小皿を1枚ずつ平らげていく楽しさ、心地よさに身を委ねていた。岩手のわんこそばも同じような楽しみなのだろうけど訪ねたことがないので、蕎麦を皿のリズムで楽しむ経験はここが初めてだった。あっという間に5枚を平らげて、追加で3枚。もう少し食べられそうだったが、満腹になって、この先のドライブで眠気が襲ってきても困るので、断念(笑)。全国の蕎麦好きが支持するのも、遠路を訪ねてくるのも、素直に納得である。思いつきの提案に乗ってみたら、出石蕎麦の至福に酔うことができたが、東京を発つ時、こんなひと時が待っているなんで想像もしなかった。だから、クルマ旅は楽しい。</p>
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<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/08/６_1.jpg" alt="" class="wp-image-40422" style="width:374px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">出石で人気の観光スポット、辰鼓楼のすぐ脇にその蕎麦屋はあった</figcaption></figure>
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<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その11</title>
		<link>https://autobild.jp/39485/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 18 Jul 2024 02:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[S211]]></category>
		<category><![CDATA[ズワイガニ]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[ホタルイカ]]></category>
		<category><![CDATA[兵庫県]]></category>
		<category><![CDATA[城崎温泉]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://autobild.jp/?p=39485</guid>

					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">奇跡の出会い…温泉街のワイン酒場<br>そこは、銀座のソムリエが開いたイタリアンの魔窟</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　城崎といえばカニ料理…冬になれば、至高のズワイガニを求めて全国から食通が押しかける。この時は季節を過ぎていたのでカニを諦めてはいたものの、やはり城崎の海の幸は楽しみだった。歴史ある温泉街だから、老舗の美味しい店もたくさんあるのではないかと期待していたのである。しかし、前回触れたように、まさかのピンチ！酒を楽しめる夕餉の店が多くないなんて思いもしなかった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39491"/><figcaption class="wp-element-caption">日が暮れると、宿の灯りが川面を彩る</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　半ばあきらめ気分…番頭が気を遣って渡してくれたクーポンで、湯上りのビールを楽しんでいた時、日暮れ前に見かけた一軒の店を思い出したのだった。小体なレストラン…いや、カウンターバーのような設えは、シンプルだったけれど、美味い料理を出す店に共通する何ともいえない雰囲気があった。とはいえ、もう日は沈んで、気の早い呑兵衛なら盃を傾けている時間である。席が取れるとは思わなかったが、宝くじだって買わなければ当たることもない。ダメ元で電話を掛けてみたのが幸運を呼んでくれた。店の雰囲気そのままで饒舌ではない店主に事情を話すと、まさかの最後の２席が転がり込んできたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39504,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/プレゼンテーション1-2-1024x385.jpg" alt="" class="wp-image-39504"/><figcaption class="wp-element-caption">（左）たくさんの若いカップルが浴衣で外湯巡り…（右）昭和な雰囲気の射的場が大賑わい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　席数が少ないせいだろうか…「ほかのお客様も7時半くらいにお越しになりますので、その頃でお願いします」と言う。一斉開始のコースオンリー？それともいろいろな縛りがある店？注文の多い料理店？（笑）…頭の中を疑問が渦巻いたけれど、あの空間で夕食がとれるのだから文句はない。とにかく一度離れていった運を戻してくれた縁に感謝である。訪ねたこともないのに、至福の夕餉が約束されたような気がした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　指示された時刻に出かけてみると、あのカウンターに4人の女性が座ってすでに盛り上がっていた。漏れてくる話から大阪のグループらしい。ボーダー柄のTシャツにニットキャップというカジュアルな姿のシェフは、ちょっとはにかんだような表情で迎えてくれる。経験上、こういう笑顔の店は外れだったことがない。接客も料理も身のこなしが実にきびきびとしていてとても心地いい。地元の食材とお酒の組み合わせをコンセプトにしているとのことで、まさに捜していた一軒…出会った幸運に心が躍る。どうやら、一斉スタートでもコース料理のみでもないようす。先客はシェフのお任せにしたようで、料理が現れるたびに嬌声を上げている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　メニューは大学ノートにボールペンでびっしりと書き込まれていた。ページごとに日付けが入っていて、毎日変わるらしい。その筆跡にシェフの想いと情熱が溢れていて、眺めているだけで嬉しくなってしまう。うん、やっぱりここはいい店だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39494,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/4-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39494"/><figcaption class="wp-element-caption">こういうのに弱いんです(笑)</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　「春の山菜のフリット　山椒味噌添え」というのが気になった。イタリアンに山椒味噌？という声も聞こえそうだけれど、近年ヨーロッパでは日本の抹茶、柑橘や香辛料が取り入れられているというから、シェフの目論見に身を委ねてみたくなる。<br>　お通しは、たっぷりとチーズを振りかけた生のマッシュルームだった。粋なスタートに期待が膨らむ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39495,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/5_1-1024x777.jpg" alt="" class="wp-image-39495"/><figcaption class="wp-element-caption">お通しはマッシュルームにオリーブオイル、パルミジャーノ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　やがて運ばれてきた皿には、３，４種類の山菜が薄い衣に包まれて、品よく盛られていた。フキノトウを口に運ぶと、さくりと軽快な歯応えの後に、あの苦味と鮮烈な青い香りがやってくる。外湯巡りで疲れた身体が一気に覚醒して、食欲が湧いてきた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39496,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/6_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39496"/><figcaption class="wp-element-caption">山菜のフリット。山椒味噌との相性は抜群だった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、次は山椒味噌をちょいと纏わせて…。香りと香りが喧嘩するかと思ったのだがあにはからんや、余韻に深みが増して後を曳く旨さになる。まいりました。これはもはや、何料理などとカテゴライズする話ではない。旨い………それだけでいいんだ。シェフが勧めてくれた丹波のスパークリングワインは揚げ物との相性もよく、この先が楽しみになる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39497,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/7_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39497"/><figcaption class="wp-element-caption">シェフが薦めてくれたワインたち。お見事！</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　次は、「ホタルイカのアヒージョ」。風呂上りのビアレストランで但馬牛を楽しんだので、ここでは魚介を選ぶことにした。オイルに溶けだしたホタルイカのコクが口いっぱいに広がって、バゲットを追加したのは言うまでもない…悶絶。これまたワインを呼ぶわけで、まんまとシェフの術中にハマってしまったのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:embed {"url":"https://youtu.be/SckqbFDKws0","type":"video","providerNameSlug":"youtube","responsive":true,"className":"wp-embed-aspect-4-3 wp-has-aspect-ratio"} -->
<figure class="wp-block-embed is-type-video is-provider-youtube wp-block-embed-youtube wp-embed-aspect-4-3 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
https://youtu.be/SckqbFDKws0
</div><figcaption class="wp-element-caption">日本海といえばホタルイカ…旨いのなんのって</figcaption></figure>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>　この日のお薦めを尋ねると、牡蠣がいいと言う。メニューを開いたら、「久美浜産真牡蠣の蒸し焼き　ジンライム風味」とあった。15㎞ほど離れた久美浜湾の産といえば、まさに地元の味。でもジンライム風味というのは未体験だ。開高健翁の真似をするわけではないが、ラフロイグくらいなら背伸びして垂らすことはある。しかし、シェフは「牡蠣とよく合うんですよ」と、顔を崩した。そりゃ、抗えない…この笑顔に抗えるはずがございません。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　思い返せば、あの晩のハイライトはこの蒸し焼きだった。熱々の牡蠣から立ちのぼるジンとライムの香り…口に入れれば牡蠣の濃厚な旨みとライムの爽やかな酸味が喉の奥まで広がっていく。シェフの言葉に偽りはなかった、生牡蠣にレモンやライムを合わせたことはあったけれど、蒸し焼きにジンライムがこれほど合うとは思いもしなかった。驚きというほかない…彼のセンスにひれ伏すのみである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/9_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39498"/><figcaption class="wp-element-caption">蒸し牡蠣にジンとライム。珠玉のひと品</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　1週間に8日、麺を食べていたいほどの麺っ食いなので、パスタが気になる。で、「あさりと木の芽、タケノコのペペロンチーノ」を頼んでみた。またまた山椒だけど、この組み合わせは確信犯だろうから、どうしても味わいたかった。想像していたのは、あさりとタケノコの上にアクセントとして振りかけられた山椒の姿…。しかし、やってきたのは、皿を緑色に染めてしまうような大量の山椒だった。これはもはや脇役や香りづけのハーブ、スパイスといったレベルではない。パスタを支配する堂々たる存在で、その大胆さに目を見張った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39499,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/10_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39499"/><figcaption class="wp-element-caption">青々とした山椒をたっぷりと。鮮烈な料理でした</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　それは2時間ほどの至福だった。料理のどれもがワインとの相性を巧みに計算されたものだったけれど、何よりも食材に真摯に向き合うシェフの心意気が溢れていた。いったいいつからここで、こんな空間を供してきたんだろう…そんな素朴な想いをぶつけてみると、その前歴に合点がいった。<br>　「銀座でソムリエをやっていたんです。でも、いい食材を捜して近々、別の場所に移ろうと思っているんです」、そう言って、またあの照れくさそうな微笑みを見せた。さすが老舗の温泉街。こんな隠し玉、いや珠玉の空間を潜ませていたなんて…。<br> </p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39500,"width":"840px","height":"auto","sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/11_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39500" style="width:840px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">仕上げに一杯呑みたくなってブラブラしたら、こんな一軒に遭遇</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/12_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39501"/><figcaption class="wp-element-caption">城崎温泉の夜は、英国な空間で仕上げました</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/13_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39502"/><figcaption class="wp-element-caption">炭火日本料理の「さんぽう西村屋本店」。次回は早めに予約して…(笑)</figcaption></figure>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">奇跡の出会い…温泉街のワイン酒場<br>そこは、銀座のソムリエが開いたイタリアンの魔窟</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　城崎といえばカニ料理…冬になれば、至高のズワイガニを求めて全国から食通が押しかける。この時は季節を過ぎていたのでカニを諦めてはいたものの、やはり城崎の海の幸は楽しみだった。歴史ある温泉街だから、老舗の美味しい店もたくさんあるのではないかと期待していたのである。しかし、前回触れたように、まさかのピンチ！酒を楽しめる夕餉の店が多くないなんて思いもしなかった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39491,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39491"/><figcaption class="wp-element-caption">日が暮れると、宿の灯りが川面を彩る</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　半ばあきらめ気分…番頭が気を遣って渡してくれたクーポンで、湯上りのビールを楽しんでいた時、日暮れ前に見かけた一軒の店を思い出したのだった。小体なレストラン…いや、カウンターバーのような設えは、シンプルだったけれど、美味い料理を出す店に共通する何ともいえない雰囲気があった。とはいえ、もう日は沈んで、気の早い呑兵衛なら盃を傾けている時間である。席が取れるとは思わなかったが、宝くじだって買わなければ当たることもない。ダメ元で電話を掛けてみたのが幸運を呼んでくれた。店の雰囲気そのままで饒舌ではない店主に事情を話すと、まさかの最後の２席が転がり込んできたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39504,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/プレゼンテーション1-2-1024x385.jpg" alt="" class="wp-image-39504"/><figcaption class="wp-element-caption">（左）たくさんの若いカップルが浴衣で外湯巡り…（右）昭和な雰囲気の射的場が大賑わい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　席数が少ないせいだろうか…「ほかのお客様も7時半くらいにお越しになりますので、その頃でお願いします」と言う。一斉開始のコースオンリー？それともいろいろな縛りがある店？注文の多い料理店？（笑）…頭の中を疑問が渦巻いたけれど、あの空間で夕食がとれるのだから文句はない。とにかく一度離れていった運を戻してくれた縁に感謝である。訪ねたこともないのに、至福の夕餉が約束されたような気がした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　指示された時刻に出かけてみると、あのカウンターに4人の女性が座ってすでに盛り上がっていた。漏れてくる話から大阪のグループらしい。ボーダー柄のTシャツにニットキャップというカジュアルな姿のシェフは、ちょっとはにかんだような表情で迎えてくれる。経験上、こういう笑顔の店は外れだったことがない。接客も料理も身のこなしが実にきびきびとしていてとても心地いい。地元の食材とお酒の組み合わせをコンセプトにしているとのことで、まさに捜していた一軒…出会った幸運に心が躍る。どうやら、一斉スタートでもコース料理のみでもないようす。先客はシェフのお任せにしたようで、料理が現れるたびに嬌声を上げている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　メニューは大学ノートにボールペンでびっしりと書き込まれていた。ページごとに日付けが入っていて、毎日変わるらしい。その筆跡にシェフの想いと情熱が溢れていて、眺めているだけで嬉しくなってしまう。うん、やっぱりここはいい店だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/4-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39494"/><figcaption class="wp-element-caption">こういうのに弱いんです(笑)</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　「春の山菜のフリット　山椒味噌添え」というのが気になった。イタリアンに山椒味噌？という声も聞こえそうだけれど、近年ヨーロッパでは日本の抹茶、柑橘や香辛料が取り入れられているというから、シェフの目論見に身を委ねてみたくなる。<br>　お通しは、たっぷりとチーズを振りかけた生のマッシュルームだった。粋なスタートに期待が膨らむ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":39495,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/5_1-1024x777.jpg" alt="" class="wp-image-39495"/><figcaption class="wp-element-caption">お通しはマッシュルームにオリーブオイル、パルミジャーノ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　やがて運ばれてきた皿には、３，４種類の山菜が薄い衣に包まれて、品よく盛られていた。フキノトウを口に運ぶと、さくりと軽快な歯応えの後に、あの苦味と鮮烈な青い香りがやってくる。外湯巡りで疲れた身体が一気に覚醒して、食欲が湧いてきた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/6_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39496"/><figcaption class="wp-element-caption">山菜のフリット。山椒味噌との相性は抜群だった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、次は山椒味噌をちょいと纏わせて…。香りと香りが喧嘩するかと思ったのだがあにはからんや、余韻に深みが増して後を曳く旨さになる。まいりました。これはもはや、何料理などとカテゴライズする話ではない。旨い………それだけでいいんだ。シェフが勧めてくれた丹波のスパークリングワインは揚げ物との相性もよく、この先が楽しみになる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/7_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39497"/><figcaption class="wp-element-caption">シェフが薦めてくれたワインたち。お見事！</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　次は、「ホタルイカのアヒージョ」。風呂上りのビアレストランで但馬牛を楽しんだので、ここでは魚介を選ぶことにした。オイルに溶けだしたホタルイカのコクが口いっぱいに広がって、バゲットを追加したのは言うまでもない…悶絶。これまたワインを呼ぶわけで、まんまとシェフの術中にハマってしまったのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-embed is-type-video is-provider-youtube wp-block-embed-youtube wp-embed-aspect-4-3 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
https://youtu.be/SckqbFDKws0
</div><figcaption class="wp-element-caption">日本海といえばホタルイカ…旨いのなんのって</figcaption></figure>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>　この日のお薦めを尋ねると、牡蠣がいいと言う。メニューを開いたら、「久美浜産真牡蠣の蒸し焼き　ジンライム風味」とあった。15㎞ほど離れた久美浜湾の産といえば、まさに地元の味。でもジンライム風味というのは未体験だ。開高健翁の真似をするわけではないが、ラフロイグくらいなら背伸びして垂らすことはある。しかし、シェフは「牡蠣とよく合うんですよ」と、顔を崩した。そりゃ、抗えない…この笑顔に抗えるはずがございません。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　思い返せば、あの晩のハイライトはこの蒸し焼きだった。熱々の牡蠣から立ちのぼるジンとライムの香り…口に入れれば牡蠣の濃厚な旨みとライムの爽やかな酸味が喉の奥まで広がっていく。シェフの言葉に偽りはなかった、生牡蠣にレモンやライムを合わせたことはあったけれど、蒸し焼きにジンライムがこれほど合うとは思いもしなかった。驚きというほかない…彼のセンスにひれ伏すのみである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/9_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39498"/><figcaption class="wp-element-caption">蒸し牡蠣にジンとライム。珠玉のひと品</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　1週間に8日、麺を食べていたいほどの麺っ食いなので、パスタが気になる。で、「あさりと木の芽、タケノコのペペロンチーノ」を頼んでみた。またまた山椒だけど、この組み合わせは確信犯だろうから、どうしても味わいたかった。想像していたのは、あさりとタケノコの上にアクセントとして振りかけられた山椒の姿…。しかし、やってきたのは、皿を緑色に染めてしまうような大量の山椒だった。これはもはや脇役や香りづけのハーブ、スパイスといったレベルではない。パスタを支配する堂々たる存在で、その大胆さに目を見張った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/10_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39499"/><figcaption class="wp-element-caption">青々とした山椒をたっぷりと。鮮烈な料理でした</figcaption></figure>
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<p>　それは2時間ほどの至福だった。料理のどれもがワインとの相性を巧みに計算されたものだったけれど、何よりも食材に真摯に向き合うシェフの心意気が溢れていた。いったいいつからここで、こんな空間を供してきたんだろう…そんな素朴な想いをぶつけてみると、その前歴に合点がいった。<br>　「銀座でソムリエをやっていたんです。でも、いい食材を捜して近々、別の場所に移ろうと思っているんです」、そう言って、またあの照れくさそうな微笑みを見せた。さすが老舗の温泉街。こんな隠し玉、いや珠玉の空間を潜ませていたなんて…。<br> </p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/11_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39500" style="width:840px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">仕上げに一杯呑みたくなってブラブラしたら、こんな一軒に遭遇</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/07/13_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-39502"/><figcaption class="wp-element-caption">炭火日本料理の「さんぽう西村屋本店」。次回は早めに予約して…(笑)</figcaption></figure>
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<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その10</title>
		<link>https://autobild.jp/38477/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 21 Jun 2024 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[さとの湯]]></category>
		<category><![CDATA[つたや]]></category>
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		<category><![CDATA[城崎温泉 七湯]]></category>
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					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">城崎温泉外湯巡りの至福。<br>でも、温泉街の外食事情に夕食がピンチ！</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　城崎温泉に着いたのは夕方だった。とはいえ、日暮れはまだ先で、街は明るかった。この温泉街は、中心を流れる大溪川に沿って伸びていて、主要な旅館はその両岸に連なっている。木造の三階建が多く、それが独特の風情を醸し出していた。この日の宿は、川の上流エリアにある「つたや」。予約が直前だったため、いくつかの宿で断られ、ようやく部屋を確保できたのだが、そこが偶然にも江戸時代末期、禁門の変で敗走した、長州藩の一員である桂小五郎（木戸孝允）が身を隠した宿だったのである。やはりここも木造の三階建て…昔の建物なので、エスカレーターはなく、高齢者には不適な宿かもしれないが、古風な部屋の窓から眼下の通りを眺めながら桂が活躍した時代に想いを馳せるのはなかなかロマンチックだ。館内には、彼に由来するさまざまな収蔵品や資料が展示されており、歴史好きにはたまらないだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38478,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38478"/><figcaption class="wp-element-caption">桂小五郎に縁の宿「つたや」。歴史を感じさせる木造三階建が目を引く</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":38479,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/2_1-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38479"/></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":38480,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/3_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38480"/><figcaption class="wp-element-caption">大久保利通、西郷隆盛、木戸孝允…ギャラリーでもあるロビーには錚々たる名が並ぶ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、城崎温泉の魅力のひとつに外湯巡りがある。個性豊かな七湯…鴻の湯（こうのゆ）、まんだら湯、御所の湯、一の湯、柳湯、地蔵湯、さとの湯が、徒歩で僅か15分ほどの範囲に散在しているのである。多くの宿では、これら外湯のフリーパス券を渡しているので、宿泊者は自由に湯浴みを楽しむことができる。七湯それぞれ魅力的な温泉で、アイランドホッピングのように巡っていくのが城崎の魅力だが、浴衣姿のままで川沿いに連なる古風な宿々を眺める散歩がこれまた楽しい。カフェやビアホール、軽食店もあるので、立ち寄りながら回るのも一興だ。温泉好きを自認する私だが、外湯巡りというとなんとなく面倒くさくて、これまでは回ってもせいぜい1、2ヵ所だった。しかし、ここではなんだか胸が躍って、気がつけば5湯を訪ねていた。おそるべし城崎温泉。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38489,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/プレゼンテーション1-2-1024x296.jpg" alt="" class="wp-image-38489"/><figcaption class="wp-element-caption">レトロな喫茶店、射的場、桑細工店…こんな店を眺めながらの散歩は楽しい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　締めくくりは御所の湯で、外に出た時には18時近くになっていた。さすがに疲れを感じて、ここで外湯めぐりを終えることにしたのだが、実はこの日、私たちは大きな問題を抱えていたのである。夕食の目途が立っていなかったのだ。前記のとおり、間際になって予約を入れたものだから、食事付きプランが残っておらず、この日は素泊まりとなった。私たちの旅ではそんなことは珍しくなく、いつものようにブラブラしながら行き当たりばったりで目についた店の暖簾を潜ればいいのだけれど、それに黄色信号が灯っていたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38481,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/7_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38481"/><figcaption class="wp-element-caption">道智上人が1000日間、八曼陀羅経という経を唱えたところ、お湯が湧き出したと伝えられる「まんだら湯」</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":38482,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/8_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38482"/><figcaption class="wp-element-caption">鴻の湯は城崎の外湯で最も古く、1400年前、舒明天皇の時代にコウノトリが足の傷を癒したことから発見されたという話が伝わっている</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":38483,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/9_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38483"/><figcaption class="wp-element-caption">全面露天風呂で人気の「御所の湯」</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さかのぼること2時間ほど前、外湯巡りに出かけようと宿の玄関に降りると番頭さんが現れたので、「湯巡りの後、夕食をとりたいのですが、お勧めってありますか」と声をかけてみた。すると、「城崎温泉は食事付きでお泊りのお客様が多いので、外食のお店はあまり多くないんですよ」と、少し困ったような顔になる。川沿いを走ってきたとき、軽食を出すような店は目に入ったけれど、せっかく城崎に来たのだから日本海の幸など地元の滋味を楽しみたいと思っていた。しかし、老舗宿の番頭さんが漏らしたひと言にそんな想いが揺らぎ始めたのである。<br>これは困った…まさか夕食難民になるとは…。<br>私の狼狽を見て気の毒に思ったのか、「ビール専門店の割引券なんですが、よかったらお使いください」とハガキほどの紙を差し出した。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　で、外湯巡りの道すがら、目に入るそれらしい飲食店に尋ねてみたが、予約で満席。やはり数が少ないから競争率が高いようだ。仕方がないので御所の湯を出た後は、件のビール専門店のドアを開き、まずは、喉を潤して作戦を考えようという算段になった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　広々と解放的な店内はレストランというより、西海岸のカフェといった風情。和風な城崎温泉のイメージではないが、賑わっているのだから美味いのだろう。さっそくクラフトビールを頼み、フードメニューに目を移す。やはり、並んでいるのは、ピッツァなどビールと相性のよさそうな軽めの品ばかりだ。その中で目にとまったのが兵庫産である但馬牛のたたきで、これもビールにも合いそうだ。近江八幡からのロングドライブ、そして5軒の外湯巡り…疲れた身体にクラフトビールが染みわたる。いやぁ旨いのなんのって……但馬牛もほどよく冷やされた皿で供され、なかなかのもの。料理は期待薄だったので、そのギャップもあって舌が大喜びするが、これだけで城崎温泉の夜を終えたくはない。まぁ、どうにもならなかったら、コンビニで何か買って宿の部屋で乾杯！(笑)。外湯めぐりがことのほか楽しかったのだから、そんな夕餉も受け入れられそうな気がする。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38484,"sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/10_1.jpg" alt="" class="wp-image-38484"/><figcaption class="wp-element-caption">湯上りのクラフトビールで、夕食の作戦会議</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":38485,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/11-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38485"/><figcaption class="wp-element-caption">思いがけず出会えた但馬牛のローストビーフ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　その時、ふと思い出した。2湯目の鴻の湯に向かう時、妙に気になる店構えがあったのである。ガラス張りで中が覗けたのだが、カウンターバーのような設えで、せいぜい8、9席。あとは4人掛けの小さなテーブルがひとつというコンパクトな店だったが、カフェかスナックに居抜きで入ったような雰囲気だった。表には「TERME」と表札のようなシンプルな看板。イタリア語で温泉という意味らしいが、ランチ営業を終えた後で店内に人影はない。いったい何の店なのか気になりながらも、外湯巡りに気が急いて、そのまま後にしたのだった。で、ビールを飲みながら店名をネットで調べてみたら、“ワイン酒場”となっていて地元の食材をイタリア料理をメインとして楽しませてくれるらしい。虚飾を配した店の作りといい、地元食材＆イタリアンというコンセプトといい、興味が湧いてきた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　とはいえ、もう19時近く…席数も少ないから、おそらくダメだろう。期待薄だったが、藁にもすがるような思いで電話をかけた。しかし、返ってきたのは、「2名様ですか。ちょうど空いてますよ。ほかのお客様も7時半くらいにお越しになりますので、そのあたりでいかがでしょう」という嬉しい返事。首の皮1枚つながった…コンビニ飯を回避できたのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/12_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38486"/><figcaption class="wp-element-caption">イタリア語で温泉、スパ…この看板が九回裏逆転ホームランのきっかけだった</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/13_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38487"/><figcaption class="wp-element-caption">鴻の湯へ向かう道すがら、足を留めた一軒がディナー難民になりかけた私たちを救った</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1200" height="900" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1.jpg 1200w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">城崎温泉外湯巡りの至福。<br>でも、温泉街の外食事情に夕食がピンチ！</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　城崎温泉に着いたのは夕方だった。とはいえ、日暮れはまだ先で、街は明るかった。この温泉街は、中心を流れる大溪川に沿って伸びていて、主要な旅館はその両岸に連なっている。木造の三階建が多く、それが独特の風情を醸し出していた。この日の宿は、川の上流エリアにある「つたや」。予約が直前だったため、いくつかの宿で断られ、ようやく部屋を確保できたのだが、そこが偶然にも江戸時代末期、禁門の変で敗走した、長州藩の一員である桂小五郎（木戸孝允）が身を隠した宿だったのである。やはりここも木造の三階建て…昔の建物なので、エスカレーターはなく、高齢者には不適な宿かもしれないが、古風な部屋の窓から眼下の通りを眺めながら桂が活躍した時代に想いを馳せるのはなかなかロマンチックだ。館内には、彼に由来するさまざまな収蔵品や資料が展示されており、歴史好きにはたまらないだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38478"/><figcaption class="wp-element-caption">桂小五郎に縁の宿「つたや」。歴史を感じさせる木造三階建が目を引く</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/2_1-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38479"/></figure>
<!-- /wp:image -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/3_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38480"/><figcaption class="wp-element-caption">大久保利通、西郷隆盛、木戸孝允…ギャラリーでもあるロビーには錚々たる名が並ぶ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、城崎温泉の魅力のひとつに外湯巡りがある。個性豊かな七湯…鴻の湯（こうのゆ）、まんだら湯、御所の湯、一の湯、柳湯、地蔵湯、さとの湯が、徒歩で僅か15分ほどの範囲に散在しているのである。多くの宿では、これら外湯のフリーパス券を渡しているので、宿泊者は自由に湯浴みを楽しむことができる。七湯それぞれ魅力的な温泉で、アイランドホッピングのように巡っていくのが城崎の魅力だが、浴衣姿のままで川沿いに連なる古風な宿々を眺める散歩がこれまた楽しい。カフェやビアホール、軽食店もあるので、立ち寄りながら回るのも一興だ。温泉好きを自認する私だが、外湯巡りというとなんとなく面倒くさくて、これまでは回ってもせいぜい1、2ヵ所だった。しかし、ここではなんだか胸が躍って、気がつけば5湯を訪ねていた。おそるべし城崎温泉。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/プレゼンテーション1-2-1024x296.jpg" alt="" class="wp-image-38489"/><figcaption class="wp-element-caption">レトロな喫茶店、射的場、桑細工店…こんな店を眺めながらの散歩は楽しい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　締めくくりは御所の湯で、外に出た時には18時近くになっていた。さすがに疲れを感じて、ここで外湯めぐりを終えることにしたのだが、実はこの日、私たちは大きな問題を抱えていたのである。夕食の目途が立っていなかったのだ。前記のとおり、間際になって予約を入れたものだから、食事付きプランが残っておらず、この日は素泊まりとなった。私たちの旅ではそんなことは珍しくなく、いつものようにブラブラしながら行き当たりばったりで目についた店の暖簾を潜ればいいのだけれど、それに黄色信号が灯っていたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/7_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38481"/><figcaption class="wp-element-caption">道智上人が1000日間、八曼陀羅経という経を唱えたところ、お湯が湧き出したと伝えられる「まんだら湯」</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/8_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38482"/><figcaption class="wp-element-caption">鴻の湯は城崎の外湯で最も古く、1400年前、舒明天皇の時代にコウノトリが足の傷を癒したことから発見されたという話が伝わっている</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/9_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38483"/><figcaption class="wp-element-caption">全面露天風呂で人気の「御所の湯」</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さかのぼること2時間ほど前、外湯巡りに出かけようと宿の玄関に降りると番頭さんが現れたので、「湯巡りの後、夕食をとりたいのですが、お勧めってありますか」と声をかけてみた。すると、「城崎温泉は食事付きでお泊りのお客様が多いので、外食のお店はあまり多くないんですよ」と、少し困ったような顔になる。川沿いを走ってきたとき、軽食を出すような店は目に入ったけれど、せっかく城崎に来たのだから日本海の幸など地元の滋味を楽しみたいと思っていた。しかし、老舗宿の番頭さんが漏らしたひと言にそんな想いが揺らぎ始めたのである。<br>これは困った…まさか夕食難民になるとは…。<br>私の狼狽を見て気の毒に思ったのか、「ビール専門店の割引券なんですが、よかったらお使いください」とハガキほどの紙を差し出した。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　で、外湯巡りの道すがら、目に入るそれらしい飲食店に尋ねてみたが、予約で満席。やはり数が少ないから競争率が高いようだ。仕方がないので御所の湯を出た後は、件のビール専門店のドアを開き、まずは、喉を潤して作戦を考えようという算段になった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　広々と解放的な店内はレストランというより、西海岸のカフェといった風情。和風な城崎温泉のイメージではないが、賑わっているのだから美味いのだろう。さっそくクラフトビールを頼み、フードメニューに目を移す。やはり、並んでいるのは、ピッツァなどビールと相性のよさそうな軽めの品ばかりだ。その中で目にとまったのが兵庫産である但馬牛のたたきで、これもビールにも合いそうだ。近江八幡からのロングドライブ、そして5軒の外湯巡り…疲れた身体にクラフトビールが染みわたる。いやぁ旨いのなんのって……但馬牛もほどよく冷やされた皿で供され、なかなかのもの。料理は期待薄だったので、そのギャップもあって舌が大喜びするが、これだけで城崎温泉の夜を終えたくはない。まぁ、どうにもならなかったら、コンビニで何か買って宿の部屋で乾杯！(笑)。外湯めぐりがことのほか楽しかったのだから、そんな夕餉も受け入れられそうな気がする。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/10_1.jpg" alt="" class="wp-image-38484"/><figcaption class="wp-element-caption">湯上りのクラフトビールで、夕食の作戦会議</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/11-1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38485"/><figcaption class="wp-element-caption">思いがけず出会えた但馬牛のローストビーフ</figcaption></figure>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>　その時、ふと思い出した。2湯目の鴻の湯に向かう時、妙に気になる店構えがあったのである。ガラス張りで中が覗けたのだが、カウンターバーのような設えで、せいぜい8、9席。あとは4人掛けの小さなテーブルがひとつというコンパクトな店だったが、カフェかスナックに居抜きで入ったような雰囲気だった。表には「TERME」と表札のようなシンプルな看板。イタリア語で温泉という意味らしいが、ランチ営業を終えた後で店内に人影はない。いったい何の店なのか気になりながらも、外湯巡りに気が急いて、そのまま後にしたのだった。で、ビールを飲みながら店名をネットで調べてみたら、“ワイン酒場”となっていて地元の食材をイタリア料理をメインとして楽しませてくれるらしい。虚飾を配した店の作りといい、地元食材＆イタリアンというコンセプトといい、興味が湧いてきた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　とはいえ、もう19時近く…席数も少ないから、おそらくダメだろう。期待薄だったが、藁にもすがるような思いで電話をかけた。しかし、返ってきたのは、「2名様ですか。ちょうど空いてますよ。ほかのお客様も7時半くらいにお越しになりますので、そのあたりでいかがでしょう」という嬉しい返事。首の皮1枚つながった…コンビニ飯を回避できたのである。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/12_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38486"/><figcaption class="wp-element-caption">イタリア語で温泉、スパ…この看板が九回裏逆転ホームランのきっかけだった</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/13_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38487"/><figcaption class="wp-element-caption">鴻の湯へ向かう道すがら、足を留めた一軒がディナー難民になりかけた私たちを救った</figcaption></figure>
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<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その9</title>
		<link>https://autobild.jp/38068/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 07 Jun 2024 02:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[伊根の舟屋]]></category>
		<category><![CDATA[兵庫県]]></category>
		<category><![CDATA[城崎温泉]]></category>
		<category><![CDATA[天橋立]]></category>
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					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1189" height="892" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1.jpg 1189w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1189px) 100vw, 1189px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">天橋立から伊根の舟屋…。<br>それは海沿いの素朴で静かなドライブ</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　与謝天橋立ICを出ると、天橋立はもう目と鼻の先。176号線で天橋立駅方面へ向かって、京丹後鉄道に沿って、ぐるりと阿蘇海を巡る。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　当たり前の話だけれど天橋立は、高台から眺めなければあの優美な絶景を楽しむことはできない。で、モノレールやリフトのある天橋立ビューランドに向かってみたところ、駐車場に入る長蛇の列と人の波が目に飛び込んできて、不安がムクムクと頭をもたげた。“これ、結構時間を取られるんじゃないの…”。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この後に訪ねるつもりの伊根集落も小一時間はかかるらしいから、こんなところで予定外の時間を奪われるのはちょいと御免だ。もちろん、城崎温泉には夕方に着けばいいのだけれど、外湯巡りが人気の温泉街だから日暮れ前に何湯か回って夕食を迎えられたら、それはそれで嬉しい。気まぐれ旅は欲張り旅でもある、と思う(笑)。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38069,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/１_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38069"/><figcaption class="wp-element-caption">天橋立は上から見るものだなぁ…と実感(笑)。遠くに緑のラインが見えるだけだった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　…というわけで、モノレールで高台から見下ろすのは断念。とはいえ、ここまで来て天橋立をまったく愛でないのもどうかと思い、宮津湾をぐるりと回って、天橋立を反対側の海辺から眺めることにした。これなら伊根の舟屋に向かう道すがらだし、天橋立駅周辺に比べれば混雑も少ない。<br>　住宅地のような細道を抜けて海辺に出てみると、天橋立が遠く視線の左右に伸びる。…が、海岸の平地から眺めているので、目に入る風景は、海を左右に横切る木立、要は緑の帯が伸びているだけなのである。観光ガイドなどで目にしたあの優雅な龍のような姿ではない(笑)。モノレールを断念した段階で分かっていたはずなのに、こうして実際に眺めてみるとあまりの味気なさに笑いが込み上げてきた。即刻退散！</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、目指すは伊根の舟屋群で、若狭湾を右に見ながらひたすら176号線を進めばいい。特にこれといって眺めるものも、思わず足を留めたくなるようなスポットもない静かなルートだが、こんなドライブこそが、日常ではなかなか味わうことのできないクルマ旅の魅力だ。度重なる赤信号に気をもむことも、長い渋滞にイライラすることも、割り込みや急ブレーキに肝を冷やすこともなく、自分のペースでゆったりと走る。関東なら房総半島の内房あたりの海沿いを平日に走ると同じような心地よさに身を浸すことができるが、近年はアクアラインからのクルマが増えて、そんな走りも難しくなったらしい。ステアリングに手を乗せ、たわいもない話を交わしながら海辺を走るひと時は、日頃溜まった心の澱をすっかり流してくれる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38070,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/2_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38070"/><figcaption class="wp-element-caption">イカ釣りの漁船が揺れるのどかな伊根の海</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　やがて、目当ての伊根が近づいてきた。大手旅行代理店のロゴが入った観光バスとすれ違ったので、こんな季節外れの平日でもそれなりの観光客が訪ねているのだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　伊根の舟屋はいくつかの地区に分散している。日本酒の酒蔵などが人気のエリアは奥のほうにあって、メディアに取り上げられるのもこちらが多い。件の観光バスもそこから戻ってきたようだ。鄙びた漁村の風情を求めてやってきたのに、夏の軽井沢や湘南のような混雑に遭遇したら幻滅するから、手前の日出地区をのんびり散策することにした。とはいえ、不人気というわけではなく、舟屋の数々は整備、手入れが進んでいて、宿泊施設として繁盛しているようだ。実は、城崎温泉に宿を求めた時、伊根の舟屋も候補に挙がったが、どこも満室…泣く泣く断念したのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:embed {"url":"https://youtu.be/4_fiAKyGskc","type":"video","providerNameSlug":"youtube","responsive":true,"className":"wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"} -->
<figure class="wp-block-embed is-type-video is-provider-youtube wp-block-embed-youtube wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
https://youtu.be/4_fiAKyGskc
</div><figcaption class="wp-element-caption">湾の水は澄んでいて、海藻が揺れる。行き来する小魚に目を奪われた</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　集落の外れ、ちょっとした高台に公営の駐車場があって、クルマは簡単に停めることができた。その脇からの眺望は素晴らしく、海に面して一列に並んだ舟屋は、風景カレンダーを見ているようだ。湾内の水はとても澄んでいて緑深い海藻が静かに揺らぎ、その間を行き来する小魚が愛らしい。舟屋の連なりに足を踏み入れるまでもなく、心が躍った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:embed {"url":"https://youtu.be/C0kTeVUEYfw","type":"video","providerNameSlug":"youtube","responsive":true,"className":"wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"} -->
<figure class="wp-block-embed is-type-video is-provider-youtube wp-block-embed-youtube wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
https://youtu.be/C0kTeVUEYfw
</div><figcaption class="wp-element-caption">この光景が見たくてクルマを走らせたのだった</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そこから、下り坂を徒歩で１、２分…舟屋が並ぶ集落に入ると、道幅は狭なってクルマがようやくすれ違う程度になる。商店らしきものは目に入らないし、カフェと思しき看板はあったものの営業しているようすはなかった。観光客はほとんど見当たらず、時間帯なのか、地元の方さえ歩いていない。建物と建物の僅かな隙間から舟を降ろす海面を覗くことができて、そこには波音の規則正しいリズムが響いていた。しかし、それとてようやく聞きとれる程度であって、集落は静寂に支配されていて、私たちの足音が響き、写真集の見開きに迷い込んでしまったような不思議な感覚に包まれる。ここに宿を取り、日が沈む頃、海を眺めながら地の魚で一献……そんなひと時を過ごせたらどんなに幸せだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:embed {"url":"https://youtu.be/tbqjrP6bLyg","type":"video","providerNameSlug":"youtube","responsive":true,"className":"wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"} -->
<figure class="wp-block-embed is-type-video is-provider-youtube wp-block-embed-youtube wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
https://youtu.be/tbqjrP6bLyg
</div><figcaption class="wp-element-caption">多くの舟屋はきれいに手入れされ、宿に活用されるケースが増えている</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この風景を眺めながらコーヒーの一杯もいただけたら…と思ったけれど、なにせその類の店は開いていないし、誰かに聞こうにも人影がない。いや、この静けさと豊かさを味わえれば充分だった。<br>　ここからは海沿いを城崎温泉へ。ドライブはあと70㎞で締めくくりである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38071,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/6_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38071"/><figcaption class="wp-element-caption">若狭湾の海沿いは路面と海面の高低差が少ないので、海の上を走っているような錯覚を覚えることもある</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1189" height="892" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1.jpg 1189w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1189px) 100vw, 1189px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">天橋立から伊根の舟屋…。<br>それは海沿いの素朴で静かなドライブ</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　与謝天橋立ICを出ると、天橋立はもう目と鼻の先。176号線で天橋立駅方面へ向かって、京丹後鉄道に沿って、ぐるりと阿蘇海を巡る。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　当たり前の話だけれど天橋立は、高台から眺めなければあの優美な絶景を楽しむことはできない。で、モノレールやリフトのある天橋立ビューランドに向かってみたところ、駐車場に入る長蛇の列と人の波が目に飛び込んできて、不安がムクムクと頭をもたげた。“これ、結構時間を取られるんじゃないの…”。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この後に訪ねるつもりの伊根集落も小一時間はかかるらしいから、こんなところで予定外の時間を奪われるのはちょいと御免だ。もちろん、城崎温泉には夕方に着けばいいのだけれど、外湯巡りが人気の温泉街だから日暮れ前に何湯か回って夕食を迎えられたら、それはそれで嬉しい。気まぐれ旅は欲張り旅でもある、と思う(笑)。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":38069,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/１_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38069"/><figcaption class="wp-element-caption">天橋立は上から見るものだなぁ…と実感(笑)。遠くに緑のラインが見えるだけだった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　…というわけで、モノレールで高台から見下ろすのは断念。とはいえ、ここまで来て天橋立をまったく愛でないのもどうかと思い、宮津湾をぐるりと回って、天橋立を反対側の海辺から眺めることにした。これなら伊根の舟屋に向かう道すがらだし、天橋立駅周辺に比べれば混雑も少ない。<br>　住宅地のような細道を抜けて海辺に出てみると、天橋立が遠く視線の左右に伸びる。…が、海岸の平地から眺めているので、目に入る風景は、海を左右に横切る木立、要は緑の帯が伸びているだけなのである。観光ガイドなどで目にしたあの優雅な龍のような姿ではない(笑)。モノレールを断念した段階で分かっていたはずなのに、こうして実際に眺めてみるとあまりの味気なさに笑いが込み上げてきた。即刻退散！</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、目指すは伊根の舟屋群で、若狭湾を右に見ながらひたすら176号線を進めばいい。特にこれといって眺めるものも、思わず足を留めたくなるようなスポットもない静かなルートだが、こんなドライブこそが、日常ではなかなか味わうことのできないクルマ旅の魅力だ。度重なる赤信号に気をもむことも、長い渋滞にイライラすることも、割り込みや急ブレーキに肝を冷やすこともなく、自分のペースでゆったりと走る。関東なら房総半島の内房あたりの海沿いを平日に走ると同じような心地よさに身を浸すことができるが、近年はアクアラインからのクルマが増えて、そんな走りも難しくなったらしい。ステアリングに手を乗せ、たわいもない話を交わしながら海辺を走るひと時は、日頃溜まった心の澱をすっかり流してくれる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/2_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38070"/><figcaption class="wp-element-caption">イカ釣りの漁船が揺れるのどかな伊根の海</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　やがて、目当ての伊根が近づいてきた。大手旅行代理店のロゴが入った観光バスとすれ違ったので、こんな季節外れの平日でもそれなりの観光客が訪ねているのだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　伊根の舟屋はいくつかの地区に分散している。日本酒の酒蔵などが人気のエリアは奥のほうにあって、メディアに取り上げられるのもこちらが多い。件の観光バスもそこから戻ってきたようだ。鄙びた漁村の風情を求めてやってきたのに、夏の軽井沢や湘南のような混雑に遭遇したら幻滅するから、手前の日出地区をのんびり散策することにした。とはいえ、不人気というわけではなく、舟屋の数々は整備、手入れが進んでいて、宿泊施設として繁盛しているようだ。実は、城崎温泉に宿を求めた時、伊根の舟屋も候補に挙がったが、どこも満室…泣く泣く断念したのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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</div><figcaption class="wp-element-caption">湾の水は澄んでいて、海藻が揺れる。行き来する小魚に目を奪われた</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　集落の外れ、ちょっとした高台に公営の駐車場があって、クルマは簡単に停めることができた。その脇からの眺望は素晴らしく、海に面して一列に並んだ舟屋は、風景カレンダーを見ているようだ。湾内の水はとても澄んでいて緑深い海藻が静かに揺らぎ、その間を行き来する小魚が愛らしい。舟屋の連なりに足を踏み入れるまでもなく、心が躍った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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</div><figcaption class="wp-element-caption">この光景が見たくてクルマを走らせたのだった</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そこから、下り坂を徒歩で１、２分…舟屋が並ぶ集落に入ると、道幅は狭なってクルマがようやくすれ違う程度になる。商店らしきものは目に入らないし、カフェと思しき看板はあったものの営業しているようすはなかった。観光客はほとんど見当たらず、時間帯なのか、地元の方さえ歩いていない。建物と建物の僅かな隙間から舟を降ろす海面を覗くことができて、そこには波音の規則正しいリズムが響いていた。しかし、それとてようやく聞きとれる程度であって、集落は静寂に支配されていて、私たちの足音が響き、写真集の見開きに迷い込んでしまったような不思議な感覚に包まれる。ここに宿を取り、日が沈む頃、海を眺めながら地の魚で一献……そんなひと時を過ごせたらどんなに幸せだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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</div><figcaption class="wp-element-caption">多くの舟屋はきれいに手入れされ、宿に活用されるケースが増えている</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この風景を眺めながらコーヒーの一杯もいただけたら…と思ったけれど、なにせその類の店は開いていないし、誰かに聞こうにも人影がない。いや、この静けさと豊かさを味わえれば充分だった。<br>　ここからは海沿いを城崎温泉へ。ドライブはあと70㎞で締めくくりである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/06/6_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-38071"/><figcaption class="wp-element-caption">若狭湾の海沿いは路面と海面の高低差が少ないので、海の上を走っているような錯覚を覚えることもある</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その8</title>
		<link>https://autobild.jp/37365/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 22 May 2024 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[W211]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[兵庫県]]></category>
		<category><![CDATA[城崎温泉]]></category>
		<category><![CDATA[天橋立]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://autobild.jp/?p=37365</guid>

					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1209" height="907" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1.jpg 1209w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1209px) 100vw, 1209px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">一路、日本海へ。<br>京都縦貫道路で、地粉の手打ち蕎麦に舌鼓</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この日の宿は、兵庫県の城崎温泉にとっていた。大谿（おおたに）川に沿って木造の和風旅館が軒を連ねる小ぢんまりとしたこの温泉町は、志賀直哉の小説で世に知られる存在となった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　…が、ここも日暮れ前に到着すればいい。周辺で特に訪ねたい場所もないし、夜にかけて外湯めぐりができれば充分なのである。そこで地図を眺めると、城崎温泉の少し手前に天橋立があった。あまりにも有名なザ・観光地だが、せっかく近くを通るのだから訪ねるのも悪くない。この先、天橋立を目当てに旅することもないだろうから、ついでに見ておこうというわけだが、そのちょっと上、丹後半島の先のほうに目を遣ると伊根集落があった。舟屋で知られる小さな漁師町で、一階が舟置き場の漁師家屋が波打ち際に並ぶ美しい光景が注目されている。最近では全国から観光客が集まる人気観光地で、欧米からの来訪も多いらしい。こちらもザ・観光地だけど、やはり欲張って足を伸ばすことにした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　カーナビで検索すると、近江八幡から260㎞ほど…5時間弱で到着らしく、天橋立と伊根の風景を眺めるだけなら、夕方には城崎温泉に着けそうだ。この日の流れは決まった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　まずは竜王ICに向かい、名神高速道路に入る。大津、京都方面を経て、京都縦貫道路へ…。この道路も与謝天橋立ICまで伸びたので、日本海側への旅がずいぶん楽になった。一車線区間では何度か低速の軽トラックに遭遇したけれど、こういう旅だと気にならないのが、我ながらおもしろい。むしろ、ゆっくりドライブのおかげで山々の美しさやそこに見え隠れする集落に目を配ることができる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>ロケや取材行だと、同じようなシチュエーションでも気が急くことがないわけではないけれど、目的や心持ち次第でドライブの風景、印象がまったく違うものになることを噛み締めたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":37367,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/１_1-1024x752.jpg" alt="" class="wp-image-37367"/><figcaption class="wp-element-caption">地元産の蕎麦粉を使い、手際よく仕上げられる</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　朝食をとらずに近江八幡を出発したものだから小腹が減ってきた。天橋立や伊根に着いてからの昼食では、夕食を空腹で迎えられなくなる。“空腹は最高の調味料也”、北大路魯山人の言葉だったろうか、そんな一節が頭を過った。日本海の恵みを含め、城崎温泉では食事も楽しみだから、ここはひとつ万全の状態で夕餉を迎えたい。そこで寄ったのが京丹波PA内の「道の駅京丹波味夢の里」。農産品の品揃えがよく、伊勢芋などの自然薯やいろいろなキノコに目を奪われる。…で、食堂に向かってみると、入り口の脇に京丹波製麺所と銘打つ蕎麦打ち実演スペースがあった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　PAに製麺所？見れば、ガラスで仕切られた作業スペースで女性スタッフが黙々と作業していて、麺が整然と並んでいる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　東北道の佐野でもラーメンの青竹打ちを実演していたけれど、こちらは挽きたて、打ちたて、茹でたてを是とする日本蕎麦…ぜひ食べてみたい。京丹波町では、1999年に休耕地の利用促進のため蕎麦の栽培を始めたそうで、一帯は気温の寒暖差が大きく、上質な蕎麦が採れるようになったらしい。旧瑞穂町で始まったので、「瑞穂そば」と称され、このPAでは、“瑞穂そば師範代”に任命された職人が供するという。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　頼んだのは野菜かき揚げ蕎麦。たっぷりの青ネギが、ここが西日本であることを感じさせる。青海苔が香る竹輪天も乗っていてボリュームもなかなか…思いのほか、きりっとしたつゆが嬉しい。麺を啜れば、口の中に蕎麦の香りが広がる。まぁ、見た目がちょっと麗しくなかったけれど、そんなのはご愛敬(笑)。お江戸の高級店ではないのだから。お決まりの定食かカレーライスでも…とクルマを停めたのに、こんな思いがけない地の恵みに出会うことができたのだから、幸運以外の何ものでもない。これもまたクルマ旅の醍醐味、楽しみだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　心地よいひと時を経て、再び、京都縦貫道路をひた走る。終点の与謝天橋立ICまで約 60㎞……1時間の行程も快適だった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":37368,"sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/2_1.jpg" alt="" class="wp-image-37368"/><figcaption class="wp-element-caption">へしこ…若狭や京丹後の名産。本場に近づいていることを実感する</figcaption></figure>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1209" height="907" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1.jpg 1209w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1209px) 100vw, 1209px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">一路、日本海へ。<br>京都縦貫道路で、地粉の手打ち蕎麦に舌鼓</h2>
<!-- /wp:heading -->

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<p>　この日の宿は、兵庫県の城崎温泉にとっていた。大谿（おおたに）川に沿って木造の和風旅館が軒を連ねる小ぢんまりとしたこの温泉町は、志賀直哉の小説で世に知られる存在となった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　…が、ここも日暮れ前に到着すればいい。周辺で特に訪ねたい場所もないし、夜にかけて外湯めぐりができれば充分なのである。そこで地図を眺めると、城崎温泉の少し手前に天橋立があった。あまりにも有名なザ・観光地だが、せっかく近くを通るのだから訪ねるのも悪くない。この先、天橋立を目当てに旅することもないだろうから、ついでに見ておこうというわけだが、そのちょっと上、丹後半島の先のほうに目を遣ると伊根集落があった。舟屋で知られる小さな漁師町で、一階が舟置き場の漁師家屋が波打ち際に並ぶ美しい光景が注目されている。最近では全国から観光客が集まる人気観光地で、欧米からの来訪も多いらしい。こちらもザ・観光地だけど、やはり欲張って足を伸ばすことにした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　カーナビで検索すると、近江八幡から260㎞ほど…5時間弱で到着らしく、天橋立と伊根の風景を眺めるだけなら、夕方には城崎温泉に着けそうだ。この日の流れは決まった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　まずは竜王ICに向かい、名神高速道路に入る。大津、京都方面を経て、京都縦貫道路へ…。この道路も与謝天橋立ICまで伸びたので、日本海側への旅がずいぶん楽になった。一車線区間では何度か低速の軽トラックに遭遇したけれど、こういう旅だと気にならないのが、我ながらおもしろい。むしろ、ゆっくりドライブのおかげで山々の美しさやそこに見え隠れする集落に目を配ることができる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<p>ロケや取材行だと、同じようなシチュエーションでも気が急くことがないわけではないけれど、目的や心持ち次第でドライブの風景、印象がまったく違うものになることを噛み締めたのだった。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/１_1-1024x752.jpg" alt="" class="wp-image-37367"/><figcaption class="wp-element-caption">地元産の蕎麦粉を使い、手際よく仕上げられる</figcaption></figure>
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<p>　朝食をとらずに近江八幡を出発したものだから小腹が減ってきた。天橋立や伊根に着いてからの昼食では、夕食を空腹で迎えられなくなる。“空腹は最高の調味料也”、北大路魯山人の言葉だったろうか、そんな一節が頭を過った。日本海の恵みを含め、城崎温泉では食事も楽しみだから、ここはひとつ万全の状態で夕餉を迎えたい。そこで寄ったのが京丹波PA内の「道の駅京丹波味夢の里」。農産品の品揃えがよく、伊勢芋などの自然薯やいろいろなキノコに目を奪われる。…で、食堂に向かってみると、入り口の脇に京丹波製麺所と銘打つ蕎麦打ち実演スペースがあった。</p>
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<p>　PAに製麺所？見れば、ガラスで仕切られた作業スペースで女性スタッフが黙々と作業していて、麺が整然と並んでいる。</p>
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<p>　東北道の佐野でもラーメンの青竹打ちを実演していたけれど、こちらは挽きたて、打ちたて、茹でたてを是とする日本蕎麦…ぜひ食べてみたい。京丹波町では、1999年に休耕地の利用促進のため蕎麦の栽培を始めたそうで、一帯は気温の寒暖差が大きく、上質な蕎麦が採れるようになったらしい。旧瑞穂町で始まったので、「瑞穂そば」と称され、このPAでは、“瑞穂そば師範代”に任命された職人が供するという。</p>
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<p>　頼んだのは野菜かき揚げ蕎麦。たっぷりの青ネギが、ここが西日本であることを感じさせる。青海苔が香る竹輪天も乗っていてボリュームもなかなか…思いのほか、きりっとしたつゆが嬉しい。麺を啜れば、口の中に蕎麦の香りが広がる。まぁ、見た目がちょっと麗しくなかったけれど、そんなのはご愛敬(笑)。お江戸の高級店ではないのだから。お決まりの定食かカレーライスでも…とクルマを停めたのに、こんな思いがけない地の恵みに出会うことができたのだから、幸運以外の何ものでもない。これもまたクルマ旅の醍醐味、楽しみだ。</p>
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<p>　心地よいひと時を経て、再び、京都縦貫道路をひた走る。終点の与謝天橋立ICまで約 60㎞……1時間の行程も快適だった。</p>
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<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その7</title>
		<link>https://autobild.jp/36918/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 08 May 2024 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[メンソレータム]]></category>
		<category><![CDATA[メンターム]]></category>
		<category><![CDATA[八幡堀]]></category>
		<category><![CDATA[日牟禮八幡宮]]></category>
		<category><![CDATA[滋賀県]]></category>
		<category><![CDATA[近江兄弟社]]></category>
		<category><![CDATA[近江八幡市]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://autobild.jp/?p=36918</guid>

					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1209" height="907" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1.jpg 1209w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1209px) 100vw, 1209px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">商人の街、近江八幡の素顔に触れる。<br>美しい運河は絶好の散歩コースだった。</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　繰り返しになるけれど、広島までクルマの長旅をした時、最初に立ち寄ったのが近江八幡だった。その折は、ランチをとって土産を買っただけ…そこから奥琵琶湖経由で湖を半周して夕方には大津に入ったので、ゆっくり楽しむ余裕はなかったが、運河の美しい風景や和洋折衷の古風な街並みが心に残り、いつか再訪しようと心に決めていたのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:embed {"url":"https://youtu.be/qSz_z29V5u0","type":"video","providerNameSlug":"youtube","responsive":true,"className":"wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"} -->
<figure class="wp-block-embed is-type-video is-provider-youtube wp-block-embed-youtube wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
https://youtu.be/qSz_z29V5u0
</div><figcaption class="wp-element-caption">江戸時代にタイムスリップしたような風景。</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　で、今回の旅。長浜訪問という予期せぬプログラムが初日に滑り込んできたので、近江八幡の街並みを散歩するのは２日目、午前中の出発前…ということになってしまった。でも、思いつきの予定変更は私たちの旅では日常茶飯事だし、とりあえずその日のうちに兵庫県の城崎温泉に着けばいいという程度の緩い計画だから大きな問題ではない。要は、その日その日、いや、その時その時でいちばん楽しそうなことにすり寄っていけばいいのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":36924,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド1-1024x381.jpg" alt="" class="wp-image-36924"/><figcaption class="wp-element-caption">商人、あきんど…この街の出自を示す道案内（左）近江八幡の基礎を整えたのは豊臣秀次だという（右）</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　朝、ホテルをチェックアウトして、八幡堀と呼ばれる運河や古い街並みの残る新町あたりに向かう。平日で早めの時間帯なのが奏功して、駐車場もガラガラ。行き来する観光客も少ない……いや、ほぼ皆無だ。商店や観光施設も始業の準備中で、軒先を掃き掃除していたり、看板を引っ張り出したりと、忙しそう。時おり、通りかかるクルマさえ無ければ、ちょんまげ帯刀が現れそうで、江戸時代の住民になったような気になる。そんな素顔の近江八幡に触れることができたのは嬉しい誤算、思いがけない収穫だった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":36925,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド2-1024x382.jpg" alt="" class="wp-image-36925"/><figcaption class="wp-element-caption">朝早い街並みは人の気配もなく、人気観光地の素顔に触れることができる（左）魚屋が軒を並べた一角も…（右）</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この清々しい時間帯に八幡堀を歩いたらどんなに気持ちいいだろう…そう思って向かってみると、ここでも周遊船が出発前の準備作業(笑)。客の座布団を両手に抱えた船頭が船に乗り込んでいく。水辺に降りて運河沿いに進むと、朝の柔らかな光を浴びた岸の樹々が水面に映えて美しい。石組みの護岸や船着き場、荷揚げ所なども昔の姿を残していて、江戸時代の風情が濃く漂っていた。そのためだろうか…テレビや映画の時代劇でも、“これ、近江八幡の運河でロケだよね？”というシーンを度々目にするが、実際、よく使われているらしい。ちなみに八幡堀は、1585年に八幡山に築城し開町した豊臣秀次（秀吉の甥）が、水路で琵琶湖と繋ぎ、湖上で物資や人を運ぶ船を城下内に引き込むために整備されたという。</p>
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https://youtu.be/dyd7Fmp9oCc
</div><figcaption class="wp-element-caption">琵琶湖を行き来する船が入ってきたという八幡堀</figcaption></figure>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、八幡堀の水辺を日牟禮八幡宮近くまで来たところで、石段を上って一般道に戻る。このエリアは、和菓子店「たねや」が営む近江八幡日牟禮ヴィレッジがある人気観光地で、バームクーヘンなどのクラブハリエは女性観光客で賑わう。再び新町方面に向かって、のんびり進むと、大きなメンタームの看板が目に入った。近江兄弟社の資料館だ。蚊に刺されても、すっ転んで擦り傷を作っても、汗もが痒くても、しもやけで痛くてもメンソレータム…昭和世代には懐かしいあの軟膏を製造販売していた近江兄弟社は、その名のとおり1920年にこの地で産声を上げた。現在は同種の塗り薬、メンタームを販売する。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":36926,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド3-1024x251.jpg" alt="" class="wp-image-36926"/><figcaption class="wp-element-caption">観光船で堀を周遊することもできる（左）結婚式の前撮りにも人気の風景（中）明治10年に八幡東学校として建築された白雲館。その費用は近江商人たちの寄付で賄われたという（右）</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　昼に近づいて、ほとんどひと気のなかった街並みも少しずつ賑やかさを取り戻してきた。ガイドブックやパンフレットを手にした観光客が行き来する。名産や土産を扱う店も開き始めたが、私たちはそろそろ次に向けて発つ頃合いだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/10_1.jpg" alt="" class="wp-image-36928"/><figcaption class="wp-element-caption">かつてメンソレータムを製造販売していた近江兄弟社は現在メンタームを販売する</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　2時間にも満たない近江八幡の散歩は、人気観光地の素顔を垣間見せてくれた。次は日本海へ…。まだ朝食をとっていなかったけれど、前夜の飽食で空腹をおぼえないから、道すがら、身体と相談して何か見つければいい。なにせ、思いつきの気まま旅なのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド4-1024x680.jpg" alt="" class="wp-image-36927"/><figcaption class="wp-element-caption">滋賀の人気キャラクター「とび太」。往来のあちらこちらで目にする（左）とび太は、さまざまなキャラクターグッズとなって店頭を飾る（右）</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo＆Movie：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1209" height="907" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1.jpg 1209w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/タイトル_1-768x576.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 1209px) 100vw, 1209px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">商人の街、近江八幡の素顔に触れる。<br>美しい運河は絶好の散歩コースだった。</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　繰り返しになるけれど、広島までクルマの長旅をした時、最初に立ち寄ったのが近江八幡だった。その折は、ランチをとって土産を買っただけ…そこから奥琵琶湖経由で湖を半周して夕方には大津に入ったので、ゆっくり楽しむ余裕はなかったが、運河の美しい風景や和洋折衷の古風な街並みが心に残り、いつか再訪しようと心に決めていたのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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</div><figcaption class="wp-element-caption">江戸時代にタイムスリップしたような風景。</figcaption></figure>
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<!-- wp:paragraph -->
<p>　で、今回の旅。長浜訪問という予期せぬプログラムが初日に滑り込んできたので、近江八幡の街並みを散歩するのは２日目、午前中の出発前…ということになってしまった。でも、思いつきの予定変更は私たちの旅では日常茶飯事だし、とりあえずその日のうちに兵庫県の城崎温泉に着けばいいという程度の緩い計画だから大きな問題ではない。要は、その日その日、いや、その時その時でいちばん楽しそうなことにすり寄っていけばいいのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド1-1024x381.jpg" alt="" class="wp-image-36924"/><figcaption class="wp-element-caption">商人、あきんど…この街の出自を示す道案内（左）近江八幡の基礎を整えたのは豊臣秀次だという（右）</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　朝、ホテルをチェックアウトして、八幡堀と呼ばれる運河や古い街並みの残る新町あたりに向かう。平日で早めの時間帯なのが奏功して、駐車場もガラガラ。行き来する観光客も少ない……いや、ほぼ皆無だ。商店や観光施設も始業の準備中で、軒先を掃き掃除していたり、看板を引っ張り出したりと、忙しそう。時おり、通りかかるクルマさえ無ければ、ちょんまげ帯刀が現れそうで、江戸時代の住民になったような気になる。そんな素顔の近江八幡に触れることができたのは嬉しい誤算、思いがけない収穫だった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド2-1024x382.jpg" alt="" class="wp-image-36925"/><figcaption class="wp-element-caption">朝早い街並みは人の気配もなく、人気観光地の素顔に触れることができる（左）魚屋が軒を並べた一角も…（右）</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この清々しい時間帯に八幡堀を歩いたらどんなに気持ちいいだろう…そう思って向かってみると、ここでも周遊船が出発前の準備作業(笑)。客の座布団を両手に抱えた船頭が船に乗り込んでいく。水辺に降りて運河沿いに進むと、朝の柔らかな光を浴びた岸の樹々が水面に映えて美しい。石組みの護岸や船着き場、荷揚げ所なども昔の姿を残していて、江戸時代の風情が濃く漂っていた。そのためだろうか…テレビや映画の時代劇でも、“これ、近江八幡の運河でロケだよね？”というシーンを度々目にするが、実際、よく使われているらしい。ちなみに八幡堀は、1585年に八幡山に築城し開町した豊臣秀次（秀吉の甥）が、水路で琵琶湖と繋ぎ、湖上で物資や人を運ぶ船を城下内に引き込むために整備されたという。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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</div><figcaption class="wp-element-caption">琵琶湖を行き来する船が入ってきたという八幡堀</figcaption></figure>
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<p>　さて、八幡堀の水辺を日牟禮八幡宮近くまで来たところで、石段を上って一般道に戻る。このエリアは、和菓子店「たねや」が営む近江八幡日牟禮ヴィレッジがある人気観光地で、バームクーヘンなどのクラブハリエは女性観光客で賑わう。再び新町方面に向かって、のんびり進むと、大きなメンタームの看板が目に入った。近江兄弟社の資料館だ。蚊に刺されても、すっ転んで擦り傷を作っても、汗もが痒くても、しもやけで痛くてもメンソレータム…昭和世代には懐かしいあの軟膏を製造販売していた近江兄弟社は、その名のとおり1920年にこの地で産声を上げた。現在は同種の塗り薬、メンタームを販売する。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド3-1024x251.jpg" alt="" class="wp-image-36926"/><figcaption class="wp-element-caption">観光船で堀を周遊することもできる（左）結婚式の前撮りにも人気の風景（中）明治10年に八幡東学校として建築された白雲館。その費用は近江商人たちの寄付で賄われたという（右）</figcaption></figure>
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<p>　昼に近づいて、ほとんどひと気のなかった街並みも少しずつ賑やかさを取り戻してきた。ガイドブックやパンフレットを手にした観光客が行き来する。名産や土産を扱う店も開き始めたが、私たちはそろそろ次に向けて発つ頃合いだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/10_1.jpg" alt="" class="wp-image-36928"/><figcaption class="wp-element-caption">かつてメンソレータムを製造販売していた近江兄弟社は現在メンタームを販売する</figcaption></figure>
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<p>　2時間にも満たない近江八幡の散歩は、人気観光地の素顔を垣間見せてくれた。次は日本海へ…。まだ朝食をとっていなかったけれど、前夜の飽食で空腹をおぼえないから、道すがら、身体と相談して何か見つければいい。なにせ、思いつきの気まま旅なのである。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/05/スライド4-1024x680.jpg" alt="" class="wp-image-36927"/><figcaption class="wp-element-caption">滋賀の人気キャラクター「とび太」。往来のあちらこちらで目にする（左）とび太は、さまざまなキャラクターグッズとなって店頭を飾る（右）</figcaption></figure>
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<p>Text＆Photo＆Movie：三浦 修</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その5</title>
		<link>https://autobild.jp/35681/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 04 Apr 2024 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[イワトコナマズ]]></category>
		<category><![CDATA[カメチク]]></category>
		<category><![CDATA[じょき]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[ワゴン生活]]></category>
		<category><![CDATA[滋賀県]]></category>
		<category><![CDATA[琵琶湖のフナ料理]]></category>
		<category><![CDATA[近江八幡市]]></category>
		<category><![CDATA[近江牛]]></category>
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					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1189" height="892" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー.jpg 1189w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-768x576.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-80x60.jpg 80w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-265x198.jpg 265w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-696x522.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-1068x801.jpg 1068w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-560x420.jpg 560w" sizes="auto, (max-width: 1189px) 100vw, 1189px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">そして会えた長年の夢…琵琶湖の至宝</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　近江八幡に着いたのは夕暮れ前だった。結局、予定していた街巡りはできなかったけれど、長浜でのひと時があまりにも楽しく心地よかったので、これっぽっちも後悔はない。そのかわり、翌朝、近江八幡を発つ前に散策の時間をとることにした。城崎温泉に向かうつもりではいたけれど、いつものように行程をきっちり決めているわけではないので、すべては成り行き次第…もう慣れっこである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この晩は、大阪在住の友人が釣りのたびに訪ねるという焼肉店へ出かけることにした。東京の釣り仲間たちも、琵琶湖に泊まる時にはここで食べるという。ホテルから徒歩で約５分という立地も嬉しい。着いてみると、「カメチク」というその焼肉店には、すでに何人もの客が開店を待っていた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35747,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35747"/><figcaption class="wp-element-caption">開店前に着くと、すでに何人かの客が待っていた。開店からほどなく満席…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　ここは牧場直営で、扱っているのは近江牛とのこと。次から次に客がやってきて、席が埋まっていく。すごい勢いで、この調子ではすぐに満席だろうから、オーダーは最初にまとめてしまったほうがよさそうだ。とりあえず、タンやカルビなど４種類、キムチなどを頼んでみたが、やはりしばらく待たされることになった。人気店の宿命である。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35748,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/2_1-のコピー-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35748"/><figcaption class="wp-element-caption">長浜から近江八幡に戻り、友人に教えてもらった店で近江牛の夕餉</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて……友人たちも楽しんだ近江牛が現れた。まず、脂が軽い。もちろん、旨みも甘みもあるのだけれど、さらっとしていて脂が舌の上に残らない…しつこさが微塵もないのである。それに合わせてあるのだろうが、タレもあっさりと仕上げられていて、こういう焼肉は初めてだ。食べているのは紛うことなき焼肉なのに、何か別の肉料理を食べているような気がして、いくらでも食べられそうだ。最初のオーダーはほどなく完食し、追加を選ぼうとメニューを開いたのだが、その頃には店内はものすごい混雑で、店員も廊下を足早で行き来する。これでは、頼んでもしばらく届きそうもない。先を急いでいるわけではないけれど、とりあえず、近江牛を味わうことはできたし、このタイミングで店を変えるのも手だと思った。…というのは、ある食いしん坊の友人が絶賛していた寿司店が頭に浮かんだからである。大阪在住の彼は美食家として知られ、世の東西を問わず、飲食に精通している。そんな男がしばしば通う店が、たしかこの街だったと…。そこで、電話をして空席を尋ねると、ディナータイム真っ盛りだというのに、ちょうど２席あるという。なんという幸運。焼肉の後に寿司という流れもどうかと思うけれどこれも縁、せっかく近江八幡にいるのだから、楽しめるものは全部楽しんでおきたい。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/３_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35749"/><figcaption class="wp-element-caption">ひさご寿し。こちらも友人が教えてくれた。そして、思いもしなかった湖の幸に出会ったのだった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　その店までは、やはり徒歩で５分ほどだった。寿司店としては大きな建物で、人気のほどが伺える。私の訪問を知った例の友人が大将に電話を入れてくれたようで、名を告げるとカウンターに通され、丁寧な挨拶で迎えられた。友人によれば、滋賀の食材に精通した店で、彼が四季折々にこの店で楽しむ滋賀の味、琵琶湖の幸をSNSで見ていたものだから、期待は膨らむばかり。<br>　そして、渡された品書きを開くと、そこには長年恋慕した魚の名が記されていた。まさか、この夜に会えるとは…。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35750,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/４_1-のコピー-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35750"/><figcaption class="wp-element-caption">長年の夢、イワトコナマズを味わうことができた。湖北の美味に乾杯…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　「イワトコナマズ」。琵琶湖特産のナマズで、その名の通り、底が岩や砂利などの澄んだ水域にしか棲まないといわれ、広大な琵琶湖でも湖北の奥のほうで獲れるらしい。国内淡水魚でも屈指の美味と称されるが、獲れる数があまりにも少なく、料理関係のメディアでも取り上げられることはほとんどない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35751,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/５_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35751"/><figcaption class="wp-element-caption">山菜も満喫。コシアブラの天ぷらに目尻が下がる</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　昔、取材で奥琵琶湖の漁師の民宿に何度か泊まったが、この魚だけは口にすることができなかった。もちろん、地元の鮮魚店でもコアユやビワマス、ホンモロコなどは見かけるが、イワトコナマズを見たことはない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　それが、さらりと品書きに載っていた。思わず声を上げたら、板前が不思議そうに微笑むので、長年食べたかったことを伝え、「湖北の宿でもなかなか手に入らないと言ってました…」と奥琵琶湖の件を話すと、「よく分かりませんが、出入りの漁師さんが持ってきてくれるんですよね」と、笑った。それが謙遜であることくらい私でも分かる。長年の信頼関係と店の格が為せる技なのだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、お目当てのイワトコナマズはお造りで現れた。透明感のある白身で、品のあるさっぱりした涼しい味だが、噛み締めると淡い甘みが滲んできて、なんとも幸せな気分になる。同じく琵琶湖の美味、ビワマスのとろりとした旨みとは対照的だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35755,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/ひねもす_6_7-1024x381.jpg" alt="" class="wp-image-35755"/><figcaption class="wp-element-caption">じょきはフナを皮ごと薄く切って、生姜や山椒でいただく。アユの背ごしのような料理</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　琵琶湖の味をもういくつか楽しみたいと思っていたら、「じょき」を勧められた。もちろん見たことも聞いたこともなかったが、この一帯に伝わるフナ料理の一種で、皮ごと薄造りにしたものだという。アユの背越しのようなものと思っていただければよく、身を切る時に響く音がその名の由来らしい。「生姜などを和えるんですが、漁師さんは山椒で食べます。それも美味しいですよ。どちらにしますか」と板前さん。そりゃ、選べないなぁ………悩みに悩んでいると、「じゃぁ、少しずつ両方お出ししますよ」と、粋な対応。それにしても、フナといえば甘露煮が一般的だが、同じく琵琶湖の名物料理である黄身まぶしにしても、このじょきにしても、生で供されるわけだから、清冽な水で育ったものでなければ食べられたものではない。奥琵琶湖の恵まれた環境に感謝しながら、箸を進めた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35754,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/８_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35754"/><figcaption class="wp-element-caption">琵琶湖を代表する食材、コアユ。このサイズで成熟し、産卵する。素焼き、天ぷら、南蛮漬…なんでも美味い</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/36273/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その６」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/35067/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その４」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1189" height="892" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー.jpg 1189w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-768x576.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-80x60.jpg 80w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-265x198.jpg 265w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-696x522.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-1068x801.jpg 1068w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/タイトル_1-のコピー-560x420.jpg 560w" sizes="auto, (max-width: 1189px) 100vw, 1189px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">そして会えた長年の夢…琵琶湖の至宝</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　近江八幡に着いたのは夕暮れ前だった。結局、予定していた街巡りはできなかったけれど、長浜でのひと時があまりにも楽しく心地よかったので、これっぽっちも後悔はない。そのかわり、翌朝、近江八幡を発つ前に散策の時間をとることにした。城崎温泉に向かうつもりではいたけれど、いつものように行程をきっちり決めているわけではないので、すべては成り行き次第…もう慣れっこである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この晩は、大阪在住の友人が釣りのたびに訪ねるという焼肉店へ出かけることにした。東京の釣り仲間たちも、琵琶湖に泊まる時にはここで食べるという。ホテルから徒歩で約５分という立地も嬉しい。着いてみると、「カメチク」というその焼肉店には、すでに何人もの客が開店を待っていた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35747,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35747"/><figcaption class="wp-element-caption">開店前に着くと、すでに何人かの客が待っていた。開店からほどなく満席…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　ここは牧場直営で、扱っているのは近江牛とのこと。次から次に客がやってきて、席が埋まっていく。すごい勢いで、この調子ではすぐに満席だろうから、オーダーは最初にまとめてしまったほうがよさそうだ。とりあえず、タンやカルビなど４種類、キムチなどを頼んでみたが、やはりしばらく待たされることになった。人気店の宿命である。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35748,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/2_1-のコピー-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35748"/><figcaption class="wp-element-caption">長浜から近江八幡に戻り、友人に教えてもらった店で近江牛の夕餉</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて……友人たちも楽しんだ近江牛が現れた。まず、脂が軽い。もちろん、旨みも甘みもあるのだけれど、さらっとしていて脂が舌の上に残らない…しつこさが微塵もないのである。それに合わせてあるのだろうが、タレもあっさりと仕上げられていて、こういう焼肉は初めてだ。食べているのは紛うことなき焼肉なのに、何か別の肉料理を食べているような気がして、いくらでも食べられそうだ。最初のオーダーはほどなく完食し、追加を選ぼうとメニューを開いたのだが、その頃には店内はものすごい混雑で、店員も廊下を足早で行き来する。これでは、頼んでもしばらく届きそうもない。先を急いでいるわけではないけれど、とりあえず、近江牛を味わうことはできたし、このタイミングで店を変えるのも手だと思った。…というのは、ある食いしん坊の友人が絶賛していた寿司店が頭に浮かんだからである。大阪在住の彼は美食家として知られ、世の東西を問わず、飲食に精通している。そんな男がしばしば通う店が、たしかこの街だったと…。そこで、電話をして空席を尋ねると、ディナータイム真っ盛りだというのに、ちょうど２席あるという。なんという幸運。焼肉の後に寿司という流れもどうかと思うけれどこれも縁、せっかく近江八幡にいるのだから、楽しめるものは全部楽しんでおきたい。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35749,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/３_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35749"/><figcaption class="wp-element-caption">ひさご寿し。こちらも友人が教えてくれた。そして、思いもしなかった湖の幸に出会ったのだった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　その店までは、やはり徒歩で５分ほどだった。寿司店としては大きな建物で、人気のほどが伺える。私の訪問を知った例の友人が大将に電話を入れてくれたようで、名を告げるとカウンターに通され、丁寧な挨拶で迎えられた。友人によれば、滋賀の食材に精通した店で、彼が四季折々にこの店で楽しむ滋賀の味、琵琶湖の幸をSNSで見ていたものだから、期待は膨らむばかり。<br>　そして、渡された品書きを開くと、そこには長年恋慕した魚の名が記されていた。まさか、この夜に会えるとは…。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/４_1-のコピー-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35750"/><figcaption class="wp-element-caption">長年の夢、イワトコナマズを味わうことができた。湖北の美味に乾杯…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　「イワトコナマズ」。琵琶湖特産のナマズで、その名の通り、底が岩や砂利などの澄んだ水域にしか棲まないといわれ、広大な琵琶湖でも湖北の奥のほうで獲れるらしい。国内淡水魚でも屈指の美味と称されるが、獲れる数があまりにも少なく、料理関係のメディアでも取り上げられることはほとんどない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/５_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35751"/><figcaption class="wp-element-caption">山菜も満喫。コシアブラの天ぷらに目尻が下がる</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　昔、取材で奥琵琶湖の漁師の民宿に何度か泊まったが、この魚だけは口にすることができなかった。もちろん、地元の鮮魚店でもコアユやビワマス、ホンモロコなどは見かけるが、イワトコナマズを見たことはない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　それが、さらりと品書きに載っていた。思わず声を上げたら、板前が不思議そうに微笑むので、長年食べたかったことを伝え、「湖北の宿でもなかなか手に入らないと言ってました…」と奥琵琶湖の件を話すと、「よく分かりませんが、出入りの漁師さんが持ってきてくれるんですよね」と、笑った。それが謙遜であることくらい私でも分かる。長年の信頼関係と店の格が為せる技なのだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　さて、お目当てのイワトコナマズはお造りで現れた。透明感のある白身で、品のあるさっぱりした涼しい味だが、噛み締めると淡い甘みが滲んできて、なんとも幸せな気分になる。同じく琵琶湖の美味、ビワマスのとろりとした旨みとは対照的だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/ひねもす_6_7-1024x381.jpg" alt="" class="wp-image-35755"/><figcaption class="wp-element-caption">じょきはフナを皮ごと薄く切って、生姜や山椒でいただく。アユの背ごしのような料理</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　琵琶湖の味をもういくつか楽しみたいと思っていたら、「じょき」を勧められた。もちろん見たことも聞いたこともなかったが、この一帯に伝わるフナ料理の一種で、皮ごと薄造りにしたものだという。アユの背越しのようなものと思っていただければよく、身を切る時に響く音がその名の由来らしい。「生姜などを和えるんですが、漁師さんは山椒で食べます。それも美味しいですよ。どちらにしますか」と板前さん。そりゃ、選べないなぁ………悩みに悩んでいると、「じゃぁ、少しずつ両方お出ししますよ」と、粋な対応。それにしても、フナといえば甘露煮が一般的だが、同じく琵琶湖の名物料理である黄身まぶしにしても、このじょきにしても、生で供されるわけだから、清冽な水で育ったものでなければ食べられたものではない。奥琵琶湖の恵まれた環境に感謝しながら、箸を進めた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/04/８_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35754"/><figcaption class="wp-element-caption">琵琶湖を代表する食材、コアユ。このサイズで成熟し、産卵する。素焼き、天ぷら、南蛮漬…なんでも美味い</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/36273/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その６」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/35067/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その４」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その4</title>
		<link>https://autobild.jp/35067/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 19 Mar 2024 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[Mercedes-Benz]]></category>
		<category><![CDATA[W211]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[メルセデス Ｅクラス]]></category>
		<category><![CDATA[滋賀県]]></category>
		<category><![CDATA[琵琶湖]]></category>
		<category><![CDATA[近江八幡]]></category>
		<category><![CDATA[長浜]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://autobild.jp/?p=35067</guid>

					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="640" height="480" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル.jpg 640w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-80x60.jpg 80w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-265x198.jpg 265w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-560x420.jpg 560w" sizes="auto, (max-width: 640px) 100vw, 640px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">たおやかな湖東の暮らし、豊かな時間。<br>住みたくなってしまう魅惑の長浜。</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　近江八幡の街歩きは諦めたので、夕食にさえ間に合えばいいと頭を切り替えた。予定ではそろそろ長浜を出発だったけれど、楽しいのなんのって…うしろ髪引かれまくりでどうにも去りがたい。気がつけば、すっかりこの街に情が移っていたのだった。で、もう少し歩いてみたくなって、黒壁スクエアだけではなく、その周辺に足を伸ばすことにした。<br>　町おこしで整えられたエリアから一歩外に出てみると、静かで落ち着いた街並みが広がっていた。住宅が軒を並べ、所々にその生活を支える個人商店が顔を見せた。下校時刻だろうか…子どもたちが賑やかに駆けていく。こういう光景に出会うと、街が活きていることを噛み締める。子どもの笑い声が聞こえない街はどこか寂しい。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35068,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35068"/><figcaption class="wp-element-caption">街のあちこちで水路に出会う。そして「湖国」の文字。長浜の生活が琵琶湖なしでは語れないことを知らされる</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":35069,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/2.jpg" alt="" class="wp-image-35069" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">味わいのある建物だと思って近寄ってみたら、醸造業の老舗だった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　網目のように広がる道路はお世辞にも広いとは言えず、幹線道路を除けば自動車の往来も少なかった。それがまた穏やかな印象を与え、骨董屋で買った皿や糸巻きが入った袋をぶら下げて、気の向くまま足の向くまま進んでいくのは楽しいったらありゃしない。散歩で人気のエリアなら、東京にも谷根千とか浅草とかいろいろあるけれど、観光客が押し寄せて、いつしか人々の生活の匂いが薄まってしまった。まさに、お散歩の野外テーマパーク。“～っぽい”建物が目について、ケとハレで言えば、ハレ的な空間が多くなったような気がする。しかし、ここにはしっとりした日常の時間が流れていて、旅の私たちがそこにおじゃましている…という感覚。だから、高揚とか興奮というよりも、静かに嬉しさや喜びが湧き上がってくるのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35070,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/3.jpg" alt="" class="wp-image-35070" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">明治27年創業の和菓子店。生姜風味の甘い堅ボーロという商品が、観光客にも人気らしい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　しばらく進むと、小さな交差点の角に鶏肉の専門店があって、年季の入った軒下の銅細工の看板に目を奪われた。「鳥宗」と記されている。ウインドウに並ぶ鶏肉は種類が豊富で、焼き鳥などのテイクアウト系惣菜も旨そうだ。…が、交差点の反対側に目を移すと、そこにももう一軒 (笑)。やはり店の外観が個性的で、そちらは明治や大正の薫り漂う洋風の意匠が凝らされており、実に洒脱。牛と豚の専門店で「鳥宗亭」とあった。鳥宗と姉妹店なのかもしれないけれど、店内に並ぶ揚げ物系惣菜のラインナップが圧巻で、こちらに入ることにした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35071,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/4.jpg" alt="" class="wp-image-35071" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">ハイカラな看板の造作に惹かれた精肉店「鳥宗」</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　コロッケやメンチ、トンカツ、串カツなど、15種類ほどの惣菜が、白いパン粉をまとって並んでいる。揚げ置きは見当らず、すべて注文を受けてから揚げるのだろう。ラードだろうか…店内に広がる揚げ油の香りが食欲を誘う。小さい頃、歩き食いは親から厳しく咎められたので、それがトラウマとなってあまり得手ではないのだけれど、この揚げたてを頬張りながらこの街を散歩したら楽しいだろうなぁ…と、品定めをした(笑)。<br>　店内にはベンチが用意されていて、揚げ物の客はここで待つらしい。コロッケとメンチを頼んでしばし………自転車を横づけして地元の客がやってきた。やはり揚げ物目当てで、店とのやり取りを聞けば、今夜のおかずにするようだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35072,"sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/５-rotated.jpg" alt="" class="wp-image-35072"/><figcaption class="wp-element-caption">交差点の反対側にもセンスが光る装飾。こちらは鳥宗亭で、扱っているのは牛精肉と惣菜</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　揚げたての熱々を手に、通りへ戻る。このあたりは、琵琶湖につながる水路があちらこちらでクランクしながら行き交っていて、散歩していると、ほどよい間隔で出くわすことになる。街なかでありながら水は澱んでおらず、周囲に緑もあったりして、その光景が清々しい。兎にも角にも、生活と水が密接な土地柄だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35073,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/6_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35073"/><figcaption class="wp-element-caption">こんなのを見たら抗えるはずがない…(笑)</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":35074,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/7.jpg" alt="" class="wp-image-35074" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">ずらりと並ぶ揚げ物系の惣菜。試しにメンチとコロッケを頼むと、手際よく揚げてくれた</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　古い街並みが廃れることなく活きていて、生活の息遣いが伝わり、水が流れ、緑が散在する。こんな街に住んだらどんな暮らしが待っているんだろう…。妄想癖がむくむくと頭をもたげ、しばし長浜の仮想生活に漂ってしまった。<br>　気がつけば黒壁スクエアの近くに戻っていて、相棒を預けた駐車場は目の前だ。かれこれ2時間の長浜彷徨。この街を堪能するには短すぎる。<br>　最低でも1泊。いや、3泊、4泊して、暮らすように滞在してみたい。でも、そんなことをしたら、そのまま住んでしまいたくなるだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/8_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35075"/><figcaption class="wp-element-caption">ちょうど下校の時刻、楽しそうな話声と共に子どもたちの姿が街に広がった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:image {"id":35076,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/9.jpg" alt="" class="wp-image-35076" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">人がすれ違うのがやっと…そんな細道に魅力的な居酒屋が並ぶ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この街は愉しすぎる。静かで、豊かで、たおやかだけど、それが私のような粗忽者にはとても刺激的で、その深奥にどっぷりと浸かってみたくなる。湖東を代表する歴史と文化の街は、踏み込んだら抜け出せなくなりそうなちょっと危ない魅力を垣間見せたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35077,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/10_1.jpg" alt="" class="wp-image-35077" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">街のあちらこちらで水路に出会う</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/35681/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その５」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/34431/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その３」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="640" height="480" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル.jpg 640w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-80x60.jpg 80w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-265x198.jpg 265w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル-560x420.jpg 560w" sizes="auto, (max-width: 640px) 100vw, 640px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">たおやかな湖東の暮らし、豊かな時間。<br>住みたくなってしまう魅惑の長浜。</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　近江八幡の街歩きは諦めたので、夕食にさえ間に合えばいいと頭を切り替えた。予定ではそろそろ長浜を出発だったけれど、楽しいのなんのって…うしろ髪引かれまくりでどうにも去りがたい。気がつけば、すっかりこの街に情が移っていたのだった。で、もう少し歩いてみたくなって、黒壁スクエアだけではなく、その周辺に足を伸ばすことにした。<br>　町おこしで整えられたエリアから一歩外に出てみると、静かで落ち着いた街並みが広がっていた。住宅が軒を並べ、所々にその生活を支える個人商店が顔を見せた。下校時刻だろうか…子どもたちが賑やかに駆けていく。こういう光景に出会うと、街が活きていることを噛み締める。子どもの笑い声が聞こえない街はどこか寂しい。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35068,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/1_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35068"/><figcaption class="wp-element-caption">街のあちこちで水路に出会う。そして「湖国」の文字。長浜の生活が琵琶湖なしでは語れないことを知らされる</figcaption></figure>
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<!-- wp:image {"id":35069,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/2.jpg" alt="" class="wp-image-35069" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">味わいのある建物だと思って近寄ってみたら、醸造業の老舗だった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　網目のように広がる道路はお世辞にも広いとは言えず、幹線道路を除けば自動車の往来も少なかった。それがまた穏やかな印象を与え、骨董屋で買った皿や糸巻きが入った袋をぶら下げて、気の向くまま足の向くまま進んでいくのは楽しいったらありゃしない。散歩で人気のエリアなら、東京にも谷根千とか浅草とかいろいろあるけれど、観光客が押し寄せて、いつしか人々の生活の匂いが薄まってしまった。まさに、お散歩の野外テーマパーク。“～っぽい”建物が目について、ケとハレで言えば、ハレ的な空間が多くなったような気がする。しかし、ここにはしっとりした日常の時間が流れていて、旅の私たちがそこにおじゃましている…という感覚。だから、高揚とか興奮というよりも、静かに嬉しさや喜びが湧き上がってくるのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35070,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/3.jpg" alt="" class="wp-image-35070" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">明治27年創業の和菓子店。生姜風味の甘い堅ボーロという商品が、観光客にも人気らしい</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　しばらく進むと、小さな交差点の角に鶏肉の専門店があって、年季の入った軒下の銅細工の看板に目を奪われた。「鳥宗」と記されている。ウインドウに並ぶ鶏肉は種類が豊富で、焼き鳥などのテイクアウト系惣菜も旨そうだ。…が、交差点の反対側に目を移すと、そこにももう一軒 (笑)。やはり店の外観が個性的で、そちらは明治や大正の薫り漂う洋風の意匠が凝らされており、実に洒脱。牛と豚の専門店で「鳥宗亭」とあった。鳥宗と姉妹店なのかもしれないけれど、店内に並ぶ揚げ物系惣菜のラインナップが圧巻で、こちらに入ることにした。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35071,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/4.jpg" alt="" class="wp-image-35071" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">ハイカラな看板の造作に惹かれた精肉店「鳥宗」</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　コロッケやメンチ、トンカツ、串カツなど、15種類ほどの惣菜が、白いパン粉をまとって並んでいる。揚げ置きは見当らず、すべて注文を受けてから揚げるのだろう。ラードだろうか…店内に広がる揚げ油の香りが食欲を誘う。小さい頃、歩き食いは親から厳しく咎められたので、それがトラウマとなってあまり得手ではないのだけれど、この揚げたてを頬張りながらこの街を散歩したら楽しいだろうなぁ…と、品定めをした(笑)。<br>　店内にはベンチが用意されていて、揚げ物の客はここで待つらしい。コロッケとメンチを頼んでしばし………自転車を横づけして地元の客がやってきた。やはり揚げ物目当てで、店とのやり取りを聞けば、今夜のおかずにするようだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/５-rotated.jpg" alt="" class="wp-image-35072"/><figcaption class="wp-element-caption">交差点の反対側にもセンスが光る装飾。こちらは鳥宗亭で、扱っているのは牛精肉と惣菜</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　揚げたての熱々を手に、通りへ戻る。このあたりは、琵琶湖につながる水路があちらこちらでクランクしながら行き交っていて、散歩していると、ほどよい間隔で出くわすことになる。街なかでありながら水は澱んでおらず、周囲に緑もあったりして、その光景が清々しい。兎にも角にも、生活と水が密接な土地柄だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/6_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35073"/><figcaption class="wp-element-caption">こんなのを見たら抗えるはずがない…(笑)</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/7.jpg" alt="" class="wp-image-35074" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">ずらりと並ぶ揚げ物系の惣菜。試しにメンチとコロッケを頼むと、手際よく揚げてくれた</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　古い街並みが廃れることなく活きていて、生活の息遣いが伝わり、水が流れ、緑が散在する。こんな街に住んだらどんな暮らしが待っているんだろう…。妄想癖がむくむくと頭をもたげ、しばし長浜の仮想生活に漂ってしまった。<br>　気がつけば黒壁スクエアの近くに戻っていて、相棒を預けた駐車場は目の前だ。かれこれ2時間の長浜彷徨。この街を堪能するには短すぎる。<br>　最低でも1泊。いや、3泊、4泊して、暮らすように滞在してみたい。でも、そんなことをしたら、そのまま住んでしまいたくなるだろう。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35075,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/8_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-35075"/><figcaption class="wp-element-caption">ちょうど下校の時刻、楽しそうな話声と共に子どもたちの姿が街に広がった</figcaption></figure>
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<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/9.jpg" alt="" class="wp-image-35076" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">人がすれ違うのがやっと…そんな細道に魅力的な居酒屋が並ぶ</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この街は愉しすぎる。静かで、豊かで、たおやかだけど、それが私のような粗忽者にはとても刺激的で、その深奥にどっぷりと浸かってみたくなる。湖東を代表する歴史と文化の街は、踏み込んだら抜け出せなくなりそうなちょっと危ない魅力を垣間見せたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":35077,"width":"726px","height":"auto","sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full is-resized"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/10_1.jpg" alt="" class="wp-image-35077" style="width:726px;height:auto"/><figcaption class="wp-element-caption">街のあちらこちらで水路に出会う</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/35681/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その５」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/34431/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その３」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【ひねもすのたりワゴン生活】滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その3</title>
		<link>https://autobild.jp/34431/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[ehara]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 06 Mar 2024 06:50:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エッセイ]]></category>
		<category><![CDATA[ステーションワゴン]]></category>
		<category><![CDATA[ひねもすのたり]]></category>
		<category><![CDATA[ビワマス]]></category>
		<category><![CDATA[ロングドライブ]]></category>
		<category><![CDATA[堅田]]></category>
		<category><![CDATA[湖産魚]]></category>
		<category><![CDATA[滋賀県]]></category>
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		<category><![CDATA[琵琶湖]]></category>
		<category><![CDATA[近江牛]]></category>
		<category><![CDATA[長浜市]]></category>
		<category><![CDATA[鯖棒寿司]]></category>
		<category><![CDATA[黒壁スクエア]]></category>
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					<description><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1209" height="907" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1.jpg 1209w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-768x576.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-80x60.jpg 80w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-265x198.jpg 265w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-696x522.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-1068x801.jpg 1068w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-560x420.jpg 560w" sizes="auto, (max-width: 1209px) 100vw, 1209px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">歴史が薫る長浜の新しくて旧い街並み。<br>縮緬工場の糸巻きをワインホルダーに…</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　長浜を訪ねるのは初めてだった。前職では数えきれないほど琵琶湖に出かけたし、堅田ではイベントも開催した。その延長で長浜でのイベント開催を打診されたこともあったけれど、いろいろな事情で叶うことはなく、短時間の滞在さえ記憶にない。もちろん、地名としての長浜は知っていたが、それ以上の興味も湧かなかったのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　約1時間のドライブで北陸道を降りると、夕方近くの時間帯ということもあってか、なかなかの渋滞だった。目的地へは3㎞近くありそうなので、この調子だと近江八幡の街歩きはますます遠のいていく。助手席の言い出しっぺにブツブツと文句を言いながらのドライブ…しかし、その後、心から感謝することになるのだから旅は一寸先は闇、いや光明だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　黒壁スクエアが古い街並みを活かした、ガラス文化をテーマにした観光エリアであることは、スマホの検索で理解していた。しかし、地方で目にする取ってつけたような舞台セット然の観光スポットだろうと期待薄…いや、むしろ微かな嫌悪感さえ抱いて、ステアリングを握っていたのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　その一角に入ると道幅が狭くなり、お目当ての駐車場にもなかなかたどり着かない。ますます、イライラが募る。平日だというのに道往く人は多く、ほとんどが観光客のようだ。ようやくクルマから降りて、観光マップを眺めながら歩き始めると、やはり、小ぎれいに整備されたテーマパークの匂いがする街並みに迎えられた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":34432,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/１_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-34432"/><figcaption class="wp-element-caption">黒壁スクエアは、各地で目にする古い街並みの再生プロジェクトそのものだが、表面だけの浮わついた感じがなく、街が活き活きとしていたのが印象的だった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そこは、真新しいおしゃれな店舗と歴史を感じさせる建物がモザイクのように入り組んでいて、女性雑誌の旅行記事にでも出てきそうな雰囲気をそこかしこで感じる。しかし、しばらく歩くと、いつの間にか穏やかな心持ちになっている自分に気づき、戸惑った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この手の街によくある、ポップなクレープ店と古い酒屋がまったく馴染まずに隣り合っているような不自然さがないのである。アジア雑貨店が妙な音楽を流しながら、老舗温泉旅館の向かいに陣取っている…というような珍妙さもない。たしかにモザイクなのだが、異物感が希薄で、しっくりと溶け合っているというか、支え合っている一体感を醸し出しているのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　妙に構えて、眉間にシワを寄せて乗り込んだけれど、杞憂に過ぎなかった。むしろ、その自然なモザイク感が妙な楽しさと居心地のよさを呼んでいて、気がつけばすっかり惹き込まれていた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　黒壁スクエアは、かつて北陸と京阪神を繋いだ北国街道に沿って広がっている。主な店舗は25軒ほど。今風のギャラリーもあればカフェもある…セレクトショップも、手作り雑貨もあるけれど、近江牛や湖産魚、焼き鯖そうめんといった地元色が濃い店々に静かに寄り添っている。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":34433,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/２_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-34433"/><figcaption class="wp-element-caption">時おり、往時の街の様子や街道にまつわる歴史を知らせる立て札に出会う</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　城下町長浜は秀吉の時代、楽市楽座で大きく発展したという。明治維新後、全国で3番目に鉄道が敷かれた史実からも、その隆盛ぶりが分かる。しかし、多くの基幹都市と同様、郊外型の大規模商業施設が進出すると、この商店街は勢いを奪われていった。そこで1980年代末に行政と民間の有志によって、街の再生プロジェクトが始まった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この手の話は、外部から来た大手デベロッパーやコンサル主導でコンセプトがどうの、マーケティング的視点がどうしたの…という図式がすぐ浮かぶが、この街で育ち暮らす人々が中心となって、地元の行政と手を取り合い…というところからスタートした構図らしい。浮わついた雰囲気があまり感じられないのは、そんな背景の賜物なのかもしれない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:embed {"url":"https://youtu.be/MNlkoHvW8dc","type":"video","providerNameSlug":"youtube","responsive":true,"className":"wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"} -->
<figure class="wp-block-embed is-type-video is-provider-youtube wp-block-embed-youtube wp-embed-aspect-16-9 wp-has-aspect-ratio"><div class="wp-block-embed__wrapper">
https://youtu.be/MNlkoHvW8dc
</div><figcaption class="wp-element-caption">長浜の曳山まつりは、豊臣秀吉の時代に遡るという</figcaption></figure>
<!-- /wp:embed -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　観光客ばかりだと思っていた人通りだが、よく見れば普段使いの買い物袋を持ったリ、自転車を押したりという地元の人々も多い。八百屋や鮮魚店、惣菜店がずらりと並んでいるというわけではないので、夕餉の買い物ではないのかもしれないが、生活で行き来する街として機能していることが分かる。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　ふと、一軒の古道具店が目に入った。店の外にまで陶磁器や漆器を並べ、店内にもかなりの品数が見える。この街で、陶磁器を手に取るつもりはなかったけれど、店内半額という貼り紙と、オーナーとおぼしき年配女性の笑顔に惹かれ、足を踏み入れてしまった。聞けば、月内で商いを閉じるので在庫を処分しているのだという。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　良心的な値付けだったので、漆器と磁器をいくつか手に入れた。こういう買い物ができるのもクルマ旅の魅力。電車や飛行機ではこの先長いというのに、持ち重りがしたり、ボリュームのある物は手が伸びない。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":34434,"sizeSlug":"full","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/３_1.jpg" alt="" class="wp-image-34434"/><figcaption class="wp-element-caption">古道具屋の軒先で…明治時代に、紡績工場で使われていた糸巻きだという。この一帯が紡績や紡織で栄えていたことを想わせる</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　店を出ようとした時、足元に妙な木組みが積まれていた。「ワインホルダーにいいですよ」と、件の女性が微笑む。この一帯は浜縮緬やビロードの生産が盛んだったようで、この木組は縮緬工場で使われていた糸巻きだという。ひとつひとつ傷や汚れが異なり、霞んだ墨やマジックの書き込みが見える。その数字や文字は、糸の太さや素材の表示なのだろうか…いい風情に目が止まった。まさに、土地の歴史と文化がにじみ出る逸品。長浜のような街でなければ出会うことはないだろう。ひと目惚れでふたつ購入した。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　その先の一軒は、アユやコアユ、ホンモロコ、鮒ずしなど滋賀の淡水魚の専門店。目の前の琵琶湖の恵みが誇らしげに並んでいる。ホンモロコは琵琶湖を代表する美味なので、甘露煮を買うことに…。クルマにはクーラーボックスが載っているから、保冷材を交換しながら旅をすれば、手土産に使えそうだ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":34435,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/４_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-34435"/><figcaption class="wp-element-caption">鯖街道と琵琶湖の恵み。宿の夜食に買っていこうか…</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　その頃にはすっかり長浜の街歩きが楽しくなっていて、その魅力にどっぷりと浸かっていたのだった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/35067/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その４」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p><a href="http://autobild.jp/34078/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その２」はこちらです</a></p>
<!-- /wp:paragraph -->]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="post_thumbnail"><img width="1209" height="907" src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1.jpg" class="attachment-post-thumbnail size-post-thumbnail wp-post-image" alt="" decoding="async" loading="lazy" srcset="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1.jpg 1209w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-300x225.jpg 300w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-1024x768.jpg 1024w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-768x576.jpg 768w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-80x60.jpg 80w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-265x198.jpg 265w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-696x522.jpg 696w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-1068x801.jpg 1068w, https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/タイトル_1-560x420.jpg 560w" sizes="auto, (max-width: 1209px) 100vw, 1209px" /></div><!-- wp:heading -->
<h2 class="wp-block-heading">歴史が薫る長浜の新しくて旧い街並み。<br>縮緬工場の糸巻きをワインホルダーに…</h2>
<!-- /wp:heading -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　長浜を訪ねるのは初めてだった。前職では数えきれないほど琵琶湖に出かけたし、堅田ではイベントも開催した。その延長で長浜でのイベント開催を打診されたこともあったけれど、いろいろな事情で叶うことはなく、短時間の滞在さえ記憶にない。もちろん、地名としての長浜は知っていたが、それ以上の興味も湧かなかったのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　約1時間のドライブで北陸道を降りると、夕方近くの時間帯ということもあってか、なかなかの渋滞だった。目的地へは3㎞近くありそうなので、この調子だと近江八幡の街歩きはますます遠のいていく。助手席の言い出しっぺにブツブツと文句を言いながらのドライブ…しかし、その後、心から感謝することになるのだから旅は一寸先は闇、いや光明だ。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　黒壁スクエアが古い街並みを活かした、ガラス文化をテーマにした観光エリアであることは、スマホの検索で理解していた。しかし、地方で目にする取ってつけたような舞台セット然の観光スポットだろうと期待薄…いや、むしろ微かな嫌悪感さえ抱いて、ステアリングを握っていたのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　その一角に入ると道幅が狭くなり、お目当ての駐車場にもなかなかたどり着かない。ますます、イライラが募る。平日だというのに道往く人は多く、ほとんどが観光客のようだ。ようやくクルマから降りて、観光マップを眺めながら歩き始めると、やはり、小ぎれいに整備されたテーマパークの匂いがする街並みに迎えられた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:image {"id":34432,"sizeSlug":"large","linkDestination":"none"} -->
<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/１_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-34432"/><figcaption class="wp-element-caption">黒壁スクエアは、各地で目にする古い街並みの再生プロジェクトそのものだが、表面だけの浮わついた感じがなく、街が活き活きとしていたのが印象的だった</figcaption></figure>
<!-- /wp:image -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　そこは、真新しいおしゃれな店舗と歴史を感じさせる建物がモザイクのように入り組んでいて、女性雑誌の旅行記事にでも出てきそうな雰囲気をそこかしこで感じる。しかし、しばらく歩くと、いつの間にか穏やかな心持ちになっている自分に気づき、戸惑った。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この手の街によくある、ポップなクレープ店と古い酒屋がまったく馴染まずに隣り合っているような不自然さがないのである。アジア雑貨店が妙な音楽を流しながら、老舗温泉旅館の向かいに陣取っている…というような珍妙さもない。たしかにモザイクなのだが、異物感が希薄で、しっくりと溶け合っているというか、支え合っている一体感を醸し出しているのである。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　妙に構えて、眉間にシワを寄せて乗り込んだけれど、杞憂に過ぎなかった。むしろ、その自然なモザイク感が妙な楽しさと居心地のよさを呼んでいて、気がつけばすっかり惹き込まれていた。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　黒壁スクエアは、かつて北陸と京阪神を繋いだ北国街道に沿って広がっている。主な店舗は25軒ほど。今風のギャラリーもあればカフェもある…セレクトショップも、手作り雑貨もあるけれど、近江牛や湖産魚、焼き鯖そうめんといった地元色が濃い店々に静かに寄り添っている。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/２_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-34433"/><figcaption class="wp-element-caption">時おり、往時の街の様子や街道にまつわる歴史を知らせる立て札に出会う</figcaption></figure>
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<p>　城下町長浜は秀吉の時代、楽市楽座で大きく発展したという。明治維新後、全国で3番目に鉄道が敷かれた史実からも、その隆盛ぶりが分かる。しかし、多くの基幹都市と同様、郊外型の大規模商業施設が進出すると、この商店街は勢いを奪われていった。そこで1980年代末に行政と民間の有志によって、街の再生プロジェクトが始まった。</p>
<!-- /wp:paragraph -->

<!-- wp:paragraph -->
<p>　この手の話は、外部から来た大手デベロッパーやコンサル主導でコンセプトがどうの、マーケティング的視点がどうしたの…という図式がすぐ浮かぶが、この街で育ち暮らす人々が中心となって、地元の行政と手を取り合い…というところからスタートした構図らしい。浮わついた雰囲気があまり感じられないのは、そんな背景の賜物なのかもしれない。</p>
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https://youtu.be/MNlkoHvW8dc
</div><figcaption class="wp-element-caption">長浜の曳山まつりは、豊臣秀吉の時代に遡るという</figcaption></figure>
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<p>　観光客ばかりだと思っていた人通りだが、よく見れば普段使いの買い物袋を持ったリ、自転車を押したりという地元の人々も多い。八百屋や鮮魚店、惣菜店がずらりと並んでいるというわけではないので、夕餉の買い物ではないのかもしれないが、生活で行き来する街として機能していることが分かる。</p>
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<p>　ふと、一軒の古道具店が目に入った。店の外にまで陶磁器や漆器を並べ、店内にもかなりの品数が見える。この街で、陶磁器を手に取るつもりはなかったけれど、店内半額という貼り紙と、オーナーとおぼしき年配女性の笑顔に惹かれ、足を踏み入れてしまった。聞けば、月内で商いを閉じるので在庫を処分しているのだという。</p>
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<p>　良心的な値付けだったので、漆器と磁器をいくつか手に入れた。こういう買い物ができるのもクルマ旅の魅力。電車や飛行機ではこの先長いというのに、持ち重りがしたり、ボリュームのある物は手が伸びない。</p>
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<figure class="wp-block-image size-full"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/３_1.jpg" alt="" class="wp-image-34434"/><figcaption class="wp-element-caption">古道具屋の軒先で…明治時代に、紡績工場で使われていた糸巻きだという。この一帯が紡績や紡織で栄えていたことを想わせる</figcaption></figure>
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<p>　店を出ようとした時、足元に妙な木組みが積まれていた。「ワインホルダーにいいですよ」と、件の女性が微笑む。この一帯は浜縮緬やビロードの生産が盛んだったようで、この木組は縮緬工場で使われていた糸巻きだという。ひとつひとつ傷や汚れが異なり、霞んだ墨やマジックの書き込みが見える。その数字や文字は、糸の太さや素材の表示なのだろうか…いい風情に目が止まった。まさに、土地の歴史と文化がにじみ出る逸品。長浜のような街でなければ出会うことはないだろう。ひと目惚れでふたつ購入した。</p>
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<p>　その先の一軒は、アユやコアユ、ホンモロコ、鮒ずしなど滋賀の淡水魚の専門店。目の前の琵琶湖の恵みが誇らしげに並んでいる。ホンモロコは琵琶湖を代表する美味なので、甘露煮を買うことに…。クルマにはクーラーボックスが載っているから、保冷材を交換しながら旅をすれば、手土産に使えそうだ。</p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img src="https://autobild.jp/media/wp-content/uploads/2024/03/４_1-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-34435"/><figcaption class="wp-element-caption">鯖街道と琵琶湖の恵み。宿の夜食に買っていこうか…</figcaption></figure>
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<p>　その頃にはすっかり長浜の街歩きが楽しくなっていて、その魅力にどっぷりと浸かっていたのだった。</p>
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<p>Text＆Photo：三浦 修</p>
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<p><strong>【筆者の紹介】<br>三浦 修<br>BXやXMのワゴンを乗り継いで、現在はEクラスのワゴンをパートナーに、晴耕雨読なぐうたら生活。月刊誌編集長を経て、編集執筆や企画で糊口をしのぐ典型的活字中毒者。</strong></p>
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<p>【ひねもすのたりワゴン生活】<br>旅、キャンプ、釣り、果樹園…相棒のステーションワゴンとのんびり暮らすあれやこれやを綴ったエッセイ。</p>
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<p><a href="http://autobild.jp/35067/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その４」はこちらです</a></p>
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<p><a href="http://autobild.jp/34078/" target="_blank" rel="noopener" title="">「滋賀から城崎、そして神戸　５日間1500㎞のクルマ旅　その２」はこちらです</a></p>
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